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TRUST SMITH「ANY PICKER」、機械学習なしで高精度ばら積みピッキングを実現

 東京大学発AIベンチャーのTRUST SMITH株式会社は2022年11月1日、ピッキング対象物の機械学習や事前登録なしで高精度、高速な「ばら積みピッキング」を可能とするピッキングシステム「ANY PICKER」の提供を開始。事前学習なしで、0.1秒で対象物を認識する高速かつ高精度(99.9%)なピッキングを可能とし、現場の省人化を図る。

 これまでのピッキングソフトウェアは、ピッキング対象物の事前登録あるいは事前学習が必要で、事前にデータを用意できない対象物のピッキングは不可能であった。たとえば、扱う商品が数万単位であるEC物流倉庫や、食品工場の唐揚げなど不定形物のピッキングなどは難しいものであった。TRUST SMITHはこのような課題解決のため、独自のピッキングアルゴリズム開発に至ったという。

「ANY PICKER」はモデルレスピッキングシステムとして4つの特徴をもつ。1つ目の特徴は「事前の学習なしでピッキングが可能」であることだ。取り扱う商品が頻繁に変わる現場にも対応するほか、学習が不要であるため技術についての知識がなくても短期間で導入できる。

 2つ目の特徴は、「不定形物などの、認識が難しい物体にも対応」する点だ。これまで認識が難しかった唐揚げや洗剤の詰め替えなどの不定形物をはじめ、アルミホイルや金属部品など金属光沢やプラスチック光沢を含む物体、カップ麺などの丸みがある物体、平面に隙間なく敷き詰められた箱などの物体への対応を可能としている。

不定形物が対象でも、吸着点を算出してピッキングに成功

従来認識が難しかった丸みを帯びた物体についても、吸着点を算出してピッキングに成功

 3つ目の特徴は「高速ピッキング」で、0.1秒でピッキング対象物の吸着位置を算出。ピッキングの高速化を実現する。そのため、迅速な作業を求める現場でも実用可能だ。

 4つ目の特徴として、「高精度なピッキング」を実現する。カップ麺や化粧品、スプレー缶、iPadの製品段ボール、洗剤の詰め替えなど多様な形状、性質の50アイテムに対して同一の条件下(容器、照明など)で試験を行った結果、99.9%の吸着成功率を記録したという。

 TRUST SMITHは今後「ANY PICKER」の改良を進めるとともに、次世代の自動倉庫システム「RENATUS」、汎用型搬送ロボット「Kaghelo」などTRUST SMITHグループが展開する製品と連携させ、クライアントのスマート化を図るという。

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