会見で放映されたビデオでは、光に反射した車体の一部を映したあと、2023年1月4日に、ラスベガスで、なにかしらの告知があることを示した。1月5日からは、ラスベガスでCES 2023が開催される予定であり、その前日には、現地で記者会見が行われるのが定番だ。CES 2023の記者会見で新たな情報が世界に向けて発信されることになりそうだ。
3つのAを軸に展開
ソニー・ホンダモビリティが目指すクルマは、Autonomy、Augmentation、Affinityの3つの「A」が軸になるという。
ひとつめのAutonomyは、「進化する自律性」という意味を持たせ、ホンダが提唱している「事故に遭わない社会」の実現に向けた取り組みを活かすとともに、ソニーが得意とする車載センサー技術を組み合わせすることで、さらなる安全性能の向上に努めるほか、快適な移動空間を実現するために、様々なインテリジェント技術を活用することを目指す。
具体的には、レベル3の自動運転を目指し、そのために合計800TOPS以上の演算性能を持つ高性能SoCを採用することになる。
2つめのAugmentationでは、「身体・時空間の拡張」と位置づけ、新たな移動空間を提案する。自動運転により、安心安全が実現された移動空間では、運転以外の楽しみが提供できる環境が整うことから、ソニーグループが持つエンターテイメント技術の活用や、コンテンツの提供、HMI(ヘッドマウントディスプレイ)を活用することで、リアルとバーチャルの世界を融合。移動空間をエンターテイメント空間や感動空間へと拡張する。クラウドで提供するサービスと連携することで、ユーザーごとにパーソナライズした車内環境も実現する。また、メタバースなどのデジタルをフルに活用した新しいエンターテイメント空間の可能性も追求することになる。
「モビリティは、物理的に移動するための手段だけに留めず、移動空間における新たなコミュニティを創造したい」とする。
HMIおよびIVI(in-vehicle infotainment)には、最新のSoCを2個搭載し、リッチな顧客体験と、将来的なアップデートにも対応するという。
さらに、サービスプラットフォームを、ソニーグループのソニーモビリティが構築。これを活用して、車載ソフトウェアだけでなく、クラウド上のソフトウェアまでを含めた統合的なソフトウェアフレームワークを実現。リカーリングビジネスを想定した移動体験サービスを提供するためのアーキテクチャーを設計していくことになるという。
この連載の記事
-
第606回
ビジネス
テプラは販売減、でもチャンスはピンチの中にこそある、キングジム新社長 -
第605回
ビジネス
10周年を迎えたVAIO、この数年に直面した「負のスパイラル」とは? -
第604回
ビジネス
秋葉原の専門店からBTO業界の雄に、サードウェーブこの先の伸びしろは? -
第603回
ビジネス
日本マイクロソフトが掲げた3大目標、そして隠されたもう一つの目標とは? -
第602回
ビジネス
ボッシュに全株式売却後の日立「白くまくん」 -
第601回
ビジネス
シャープらしい経営とは何か、そしてそれは成果につながるものなのか -
第600回
ビジネス
個人主義/利益偏重の時代だから問う「正直者の人生」、日立創業者・小平浪平氏のことば -
第599回
ビジネス
リコーと東芝テックによる合弁会社“エトリア”始動、複合機市場の将来は? -
第598回
ビジネス
GPT-4超え性能を実現した国内スタートアップELYZA、投資額の多寡ではなくチャレンジする姿勢こそ大事 -
第597回
ビジネス
危機感のなさを嘆くパナソニック楠見グループCEO、典型的な大企業病なのか? -
第596回
ビジネス
孫正義が“超AI”に言及、NVIDIAやOpen AIは逃した魚、しかし「準備運動は整った」 - この連載の一覧へ