最新パーツ性能チェック 第386回
ゲーム&クリエイティブ性能を検証。ねらい目はCore i5?
ゲームでRyzen 7000と対決!Core i9-13900K/Core i7-13700K /Core i5-13600K速攻レビュー【後編】
2022年10月20日 22時00分更新
「V-Ray Benchmark」と「Blender Benchmark」
ではハイブリッドデザインはやや不利か
ここからは、クリエイティブ系アプリベースの検証となる。まずは「V-Ray Benchmark」で検証してみよう。このベンチでは3種類のレンダラーが選択できるが、今回はCPUのみを使う“CPU V-Ray”を選択する。
Core i9-13900Kも健闘したが、純粋に強いコアを16基揃えたRyzen 9 7950Xに一歩及ばず、その下のCore i7-13700KもRyzen 9 7900Xに僅差で負けた。ただ、Ryzen 7 7700XおよびRyzen 5 7600XはCore i5-13600Kに負けているため、第13世代Coreは全敗というわけではない。コア数と計算力のパフォーマンスのバランスは、上位モデルではRyzen有利、下位モデルでは第13世代Core有利というだけだ。
同様にCG系ベンチである「Blender Benchmark」も試してみよう。Blenderのバージョンは“3.3.0”を指定している。
シーンごとに異なるスコアーが出ているが、どのシーンにおいても優劣の序列に変わりはない。ここでも上位モデルはRyzen 7000シリーズ有利、下位モデルはCore i5-13600Kが有利といってよいだろう。
「Lightroom Classic」のバッチ書き出しは良好
次に検証する「Lightroom Classic」は、前回の記事で紹介した「UL Procyon」のテストでも使われているアプリだが、ここでの検証は100枚のDNGファイル(24Mピクセル)をシャープネス処理をかけつつ最高画質のJPEGに書き出す時間を計測する。シャープネスの設定は“スクリーン用”、適用量“標準”とした。
前回実施したUL ProcyonのBatch Processingテストでは、Ryzen 7000シリーズが第13世代Coreを圧倒していたが、このJPEG書き出しテストでは正反対の結果となった。第13世代Coreは第12世代Coreの処理時間をおおむね20秒程度短縮することに成功している。ただし、Ryzen 7000シリーズとの差は数秒レベルと小さい。
「Media Encoder 2022」「Handbrake」
では熾烈なバトルを展開する
続いては、動画エンコード系で検証しよう。まずは「Premiere Pro 2022」で編集した3分半の4K動画(約3分30秒)を「Media Encoder 2022」で4K MP4形式にエンコードする時間を計測した。ビットレートは50Mbps/VBR/1パス、フレームレートはオプティカルフローを利用している。コーデックはH.264とH.265の2通りとした。
この検証に用いている素材はGPU負荷が高い。特にH.264ではCPUパワーの差がつきにくく、H.265でCPUパワーの影響が強いことがわかっている。今回もH.264はほとんど差がでていない一方、H.265では各CPUファミリーにおける下位モデルほど処理時間が劇的に長くなっていることが確認できている。
今回の検証で処理時間が最も短かったのは、強いコアが揃っているRyzen 9 7950Xと7900Xであり、第13世代CoreのCore i9-13900KやCore i7-13700Kはわずかに及ばなかった。
続く「Handbrake」では、4K/60fpsの動画(3分)をプリセットの「Super HQ 1080p30 Surround」(H.264)、「H.265 MKV 1080p30」を利用してフルHD/30fpsのMP4またはMKV形式に出力する時間を計測した。このベンチは前回示した消費電力測定のテストがベースになっている。エンコード時はH.264→H.265の順にキューを組み、連続して処理させている。
H.264ではCore i9-13900KがRyzen 9 7950Xを大きく引き離してトップに立った一方で、H.265では逆にRyzen 9 7950Xに大きく負けている。Core i9-13900Kはエンコード中にサーマルスロットリングを起こしているという事実はあるものの、全体として第12世代Coreをしっかり圧倒し、Ryzenとも良い勝負を展開している点は評価すべきだ。
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