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小中学校向けの早期起業家教育がいま必要な理由。体験から身につける非認知能力

「小中学生向け起業家教育プログラム」事業説明会をオンラインで開催

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 東京都産業労働局は2022年7月25日、令和4年度小中学生起業家教育推進事業の事業説明会をオンラインで開催した。本事業は、都内の小中学校を対象に起業家教育プログラムの導入を支援するもの。説明会では、早期起業家教育の第一人者である株式会社セルフウイング 代表取締役の平井由紀子博士(学術・早期起業家教育)による講演および、今年度事業に参加する2校による応募の動機と取組状況を紹介した。

 小中学校起業家教育推進事業は、2024年までに都内の開業率を向上させることを目的とし、早期より起業への関心を高めるために令和元年より実施されている。小中学校向けの起業家教育プログラムは、会社の設立から商品企画、開発、販売、広報、決算までを体験する授業の実施を支援し、起業家精神の醸成や非認知能力の育成を目指すものだ。過去の支援校では、総合的な学習の時間を活用し、「地域をPRするお土産をつくる」などのテーマを設けて地域学習を兼ねて実施している。

小中学校向けの早期起業家教育がなぜ必要なのか?

 株式会社セルフウィング代表取締役 博士(学術・早期起業家教育博士)の平井由紀子氏による講演では、小中学校からの起業家教育の必要性について説明した。

株式会社セルフウイング 代表取締役の平井由紀子博士(学術・早期起業家教育)

 起業家精神(アントレプレナーシップ)とは、誰もが生まれながらに持っている本能のようなものだとし、どのような職業に就くにも必要な「生きる力」として文部科学省が育成を推奨している。

 海外では、学習意欲や幸福感の向上、社会の不確実性・急速な変化に対応するための教育として、早期からの起業家教育を推進している。

 日本では1990年代から産学官で共同研究を開始し、学習効果の検証からエビデンスベースのプログラムを開発。従来の正解ありきの教育とは異なり、正解がわからない課題を自ら見つけ、失敗を恐れずに試行錯誤をすることをテーマとしている。

起業~経営を体験しながら、非認知能力を身につける

 今回の小中学校起業家教育推進事業に用いられるプログラムでは、IQなどで測定できる認知的能力と、従来のテストでは測れない非認知的能力の両方を身に着けることを目指している。非認知能力とは、目標に向かって努力する、人とうまく関わる、諦めずにやりきる力などが例として挙げられる。

 具体的なプログラムの内容としては、会社の機能をメソッド化し、「会社について知る」、「調査する」、「会社をつくる」、「商品の企画」、「事業計画書の作成」、「お金を借りる」、「仕入れをする」、「商品の製造」、「宣伝」、「販売」、「決算」、「利益分配」などといった会社のそれぞれの活動から得られる学習効果を明確にしている。

 学習効果の検証には、プログラムの前後で66項目のフューチャーマップテストを実施し、受講者のコミュニケーション力や工夫する力、仕事への意識などの変化を数値化して評価する。

 起業家教育は、学校・家庭・地域と連携し、小中学生向けだけでなく、高校・大学生、社会人でも継続的に起業家教育を実施できる体制の構築が必要だ。

令和4年度 東京都小中学校起業家教育推進事業について

 本年度の事業については、運営事務局の株式会社角川アスキー総合研究所 ベルマーカス 麻里氏が説明した。

 事務局では、総合的な学習などの時間を利用して「起業家教育プログラム」に取り組む学校を11月末まで募集している。12月に採択校10校を決定し、令和4年度中に各校の教育目標や導入時期などの希望に沿って指導案の素案を作成、令和5年度の授業での実践を支援する。

 プログラム実施が難しい学校向けには、講師として起業家を派遣して講演会を実施する出前授業の支援も提供している。対象は東京都内の小学校および中学校で、30校まで募集(先着順)。出前授業の募集締切は令和5年1月までとなる。

 早期起業家教育を導入済み、または興味のある教師向けに情報交換の場としてFacebook(Facebookリンク)とSlack(Slackリンク)のコミュニティを開設。プログラム実践事例やノウハウの共有のほか、事務局から指導案やワークシートも提供しているので、ぜひ活用してほしい。

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