ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第672回
Navi 3を2022年末、Instinct MI300を2023年に投入 AMD GPUロードマップ
2022年06月20日 12時00分更新
AMDがPensando Systemsを19億ドルで買収
最後にDPUの話もしたい。DPUはNVIDIAが言い始めた用語(Data Processing Unit)で、インテルはこれをIPU(Infrastructure Processing Unit)と称しているし、以前はこの手のものはNPU(Network Processing Unit)と言われていた(最近はAI向けのNeural Processing UnitがNPUと称しており、Network Processing Unitとは言わなくなったが)。
DPUでもIPUでも良いのだが、連載634回でインテルのMount Evansを取り上げた。サーバー向けのインフラ回りの処理を、メインのCPUから取り出して処理するエンジンのことである。
インテルは当初ここにFPGAを投入、ついでMount Evansを発表したわけだが、AMDはXilinxの買収後の2022年5月26日、Pensando Systemsを19億ドルで買収した。
PensandoはもともとはCiscoのエンジニア5人で2017年に設立された会社で、AWS Nitro(AmazonがAWS EC2の提供のために構築したバックエンドのシステム)に対抗する製品を投入することを目指していた。このPensandoは第2世代製品のシリコンがちょうど完成したばかりであるが、これがAMDのプラットフォームソリューションに加わることになった。
もともとXilinxを買収した時点で、SolarflareのSmartNICと、SmartNICにもオフロードエンジンにもなるAlveoプラットフォームを手に入れていたAMDだが、Pensandoの買収でさらにこれが充実することになった。
Mount Evans同様にP4言語をサポートしており(P4言語は連載634回を参照)、おおむねMount Evansと同じことができそうである。もちろんまだソフトウェアの対応などが間に合うかどうかよくわからないが、少なくともインテルに対抗するのに十分な武器を手にしたことは間違いない。
この連載の記事
-
第768回
PC
AIアクセラレーター「Gaudi 3」の性能は前世代の2~4倍 インテル CPUロードマップ -
第767回
PC
Lunar LakeはWindows 12の要件である40TOPSを超えるNPU性能 インテル CPUロードマップ -
第766回
デジタル
Instinct MI300のI/OダイはXCDとCCDのどちらにも搭載できる驚きの構造 AMD GPUロードマップ -
第765回
PC
GB200 Grace Blackwell SuperchipのTDPは1200W NVIDIA GPUロードマップ -
第764回
PC
B100は1ダイあたりの性能がH100を下回るがAI性能はH100の5倍 NVIDIA GPUロードマップ -
第763回
PC
FDD/HDDをつなぐため急速に普及したSASI 消え去ったI/F史 -
第762回
PC
測定器やFDDなどどんな機器も接続できたGPIB 消え去ったI/F史 -
第761回
PC
Intel 14Aの量産は2年遅れの2028年? 半導体生産2位を目指すインテル インテル CPUロードマップ -
第760回
PC
14nmを再構築したIntel 12が2027年に登場すればおもしろいことになりそう インテル CPUロードマップ -
第759回
PC
プリンター接続で業界標準になったセントロニクスI/F 消え去ったI/F史 -
第758回
PC
モデムをつなぐのに必要だったRS-232-CというシリアルI/F 消え去ったI/F史 - この連載の一覧へ