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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第672回

Navi 3を2022年末、Instinct MI300を2023年に投入 AMD GPUロードマップ

2022年06月20日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII

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 前回に引き続き、AMDのFinancial Analyst Day 2022から今度はGPUその他の話題を解説しよう。

RDNA 3はRDNA 2に比べて性能/消費電力比が50%以上アップ

 まずロードマップ。すでにRDNA 2ベースのNavi 20シリーズはほぼ出荷がスタートしているわけだが、これに続いて5nmのRDNA 3がNavi 3xとして、その次には“Advanced Node”のRDNA 4がNavi 4xとして控えていることが示された。

まずは順当なロードマップ。Navi 4xの“Advanced Node”が4nmなのか3nmなのかが気になるところ

 直近はRDNA 3ということになるが、こちらはRDNA 2に比べて性能/消費電力比が50%以上アップした、とされている。それより気になるのは、Advanced Chiplet Packagingとあることで、なんらかのチップレットを使っていることが確認された。またCompute Unitのアーキテクチャー再構築や次世代Infinity Cacheなどの搭載も挙げられている。

 RDNA 3の内部アーキテクチャーの話は連載653回で説明しているが、その話からのアップデートで言えばGPU N6/Infinity Cache N7の構成はなくなり、GPU N5/Infinity Cache N6という構成がかなり有望とみられることだろうか。

TSMCのN7とN5で比較すると、同一消費電力で20%の最大高速化、同一周波数で最大40%の省電力化が可能とされているので、アーキテクチャーレベルでの効率化はそれほど大きくないのかもしれない

 さて製品の方であるが、最初のものは今年年末に発表されると明示されたのも今回の新しい情報である。

RDNA 3は今年年末に発表される。こちらにもはっきり“Chiplet Architecture”と明示されている

 おおむねこのあたりまでは、連載653回で記した筆者の予測がほぼ当たっていることになる。もっとも、チップレットの構成などはまだ不明なままなので、まだ喜ぶには早い。またNavi 4xに関しては今回一切情報がない。単にロードマップに明示的に出現した、というだけである。

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