アプリで旅行の満足度が上がる
ANAが目指すのは、搭乗する人がほとんどがスマートフォンを使い、アプリなどで搭乗手続きをする世界観だ。井上慎一社長は「現状、5割のお客さんが空港で搭乗手続きをしているが、今後は9割のお客様が空港での搭乗手続きが不要になる」と語る。
もちろん、従来通りの紙のチケットによるチェックイン手続きも、有人カウンターで対応する予定だ。
ANAが「Smart Travel」というコンセプトに舵を切るのは、顧客接点の強化という点が大きい。搭乗客のほとんどがスマートフォンアプリを使っていれば、万が一、飛行機が遅延や欠航した際の振り替え便の案内などをタイムリーに直接、顧客に通知することができる。
紙のチケットでは、顧客に対して、空港内の館内放送、掲示板、カウンターでの対応しか、次の案内を伝えることができない。
スマートフォンのアプリを快適に使おうと思えば、当然のことながら、ANAマイレージクラブの番号があったほうがいい。顧客はANAにメールアドレスや電話番号も登録するようになるのだから、結果として、ANAと顧客がつながり続けることになる。
また旅に行きたくなるようなメールを送ったり、通信販売のダイレクトメールを送付するなど、様々なマーケティング活動が可能となるのだ。
すでにANAを頻繁に利用するビジネスパーソンなどは何の抵抗もなく使ってくれるだろうし、むしろ、よりスムーズに旅ができるので満足度がかなり上がるのは間違いない。
この連載の記事
-
第196回
トピックス
F1の裏に“レノボ”あり 500TBのレースデータを高速処理 -
第195回
トピックス
格安スマホ、キャリアより「シンプルで安い」とふたたび注目 -
第194回
トピックス
中国スマホメーカー、日本への攻勢強める 格安折りたたみスマホで勝負 -
第193回
トピックス
ドコモが狙う“スマホの次“ iPhoneから「Vision」の時代へ -
第192回
トピックス
KDDI「povo」世界進出へ “黒子に徹する”新ビジネスとは -
第191回
トピックス
スマホ基地局を安くする ドコモとNECが世界展開する「オープンRAN」とは -
第190回
トピックス
KDDI対ソフトバンク “快適な5G”競争に本気出す -
第189回
トピックス
ドコモはユーザーの期待を裏切らないよう、品質改善に資金をつぎ込んでいくべきだ -
第188回
トピックス
楽天・三木谷氏、モバイルの次は“AI” アマゾンとの違い強調 -
第187回
トピックス
能登半島地震、携帯キャリア“異例”の共同会見 ライバル同士が手を取り合い、復旧活動する時代に? -
第186回
トピックス
ソニーのXRは圧倒的に解像度が高かった アップルと違い、クリエイターに特化した作りに - この連載の一覧へ