連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第26回
IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 3月26日~4月1日分
4社に1社は副業OK、国内企業のクラウド移行、学生も望むハイブリッドワーク、ほか
2022年04月04日 08時00分更新
本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えしています。
今回(2022年3月26日~4月1日分)は、今の高校生・大学生が望む働き方、クライアント仮想化市場やデータ復旧市場の変化、国内企業におけるパブリッククラウド活用、副業・兼業を可能にする社内人事制度についてのデータを紹介します。
■[働き方]学生が望む働き方は「ハイブリッド」がトップ、働きたい会社は「自由な会社」(NTT東日本、4月1日)
・5割弱の学生が「テレワークとオフィスのハイブリッドが自分に合う」と回答
・働きたい会社は「自由な会社」がトップ、次いで「ホワイトな会社」
・テレワークのネガティブな面として「コミュニケーション」「設備」などが挙がる
2月中旬に全国の高校生と大学生575人を対象として「未来の働き方」をテーマにインターネットで意識調査を行った。自分に合う働き方としては、「テレワーク・オフィスワーク折衷(ハイブリッド)派」が最多の47.8%、「テレワーク中心」の28.3%や「オフィス中心」の23.8%を上回った。テレワークについては「自分でコントロールできる時間が増える」メリットとともに「意思疎通が不十分になる」デメリットもあると考えていることがわかった。学生時代にオンライン授業を経験していることからテレワークへの抵抗感は低いものの、リアルな空間も求めているようだ。
■[DaaS]2022年のクライアント仮想化導入率は前年比微減、DaaSとオンプレの併用が進む(IDC Japan、3月28日)
・2022年のクライアント仮想化導入率は36.6%、前年比3.8ポイント減
・7割超がDesktop as a Service(DaaS)とオンプレミスを併用
・DaaSの利用移行としては「Windows 365」が最多(37.8%)
国内クライアント仮想化市場の動向調査として、クライアント仮想化導入済み・導入候補企業の担当者1100人に聞いた。新型コロナ対策として在宅勤務が増えた2021年と比べると、2022年のクライアント仮想化導入率は3.8ポイント減の36.6%となった。クライアント仮想化を導入する利用者のうち、DaaSとオンプレミスの併用は7割超。DaaSで利用意向が高いのは「Windows 365」(37.8%)、「Azure Virtual Desktop」(33.7%)、「Amazon WorkSpaces」(25.8%)の3種。
■[セキュリティ]クラウド、働き方改革などによりデータ復旧依頼が減少(日本データ復旧協会-DRAJ、3月29日)
・2020年の国内HDDとSSDの復旧依頼件数は前年比4000台減、8万台
・PCは働き方改革などでシンクライアント化が進みデータ復旧機会が減少
・サーバーはクラウドへの移行によりデータ復旧依頼が減少
2018~2020年の国内データ復旧業界・市場に関する統計。2020年、業界全体のHDDとSDDの復旧依頼件数はおよそ8万台(PCが6万1400台、外付けドライブが1万5600台、サーバーが3000台)で、2019年から4000台減少した。同期間中、PCの販売台数は増加したがPC復旧依頼率は2017年と比べて2ポイント減少。働き方改革の推進、リモートワークの普及によりデスクトップ仮想化などのシンクライアント化が進んだためと見ている。サーバーについてもクラウドへの移行が加速しており、復旧依頼率は2017年比で3ポイント減少している。外付けについてはHDDからSSDへのシフトにより総台数が増加、復旧の依頼は台数にして1400台、依頼率も2ポイント増加となった。
■[クラウド]国内パブリッククラウドサービス市場は活況、2021年は前年比28.5%増(IDC Japan、3月21日)
・2021年の国内パブリッククラウドサービス市場規模は1兆5879億円、前年比28.5%増
・2021~2026年の年間平均成長率(CAGR)は18.8%
・2022年以降もクラウドマイグレーションの加速傾向は続くと予想
国内パブリッククラウドサービス市場調査。新型コロナの影響でパブリッククラウドの利用が増えた。従来型ITからクラウドへの移行のベストプラクティスの蓄積、ベンダー側の要員数の増加などもトレンドを後押ししているようだ。2021年~26年の年間平均成長率(CAGR)は18.8%で、2026年には2021年の2.4倍となる3兆7586億円を見込む。2021年は「組織」「企業文化」「人材」が阻害要因となっていたが、これらの障害が少しずつ除去されつつあるという。
■[働き方][人事]25%の企業が副業・兼業許可、社内公募制度は42%が導入(リクルートマネジメントソリューションズ、3月31日)
・42%の企業が社内公募制度を導入
・副業・兼業を認める企業は25%に
・ジョブ型人材マネジメントの導入検討率は30.7%に
仕事や働き方について従業員が主体的に選択する機会を増やす人事施策を「個人選択型HRM(Human Resource Management)」とし、約300社の人事責任者を対象に、関連する取り組みについて聞いた。社内公募制度を導入する企業は42%、その目的として「若手社員のモチベーション向上」を7割以上の企業が挙げた。副業・兼業を導入する企業は4社に1社、導入しない理由として「本業が疎かになる」「社内業務に支障が生じる」などが多く挙がった。導入企業の課題意識としては「従業員の労務管理の負担」が最多だった。
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