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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第169回

IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 1月25日~31日

ランサム被害企業の51%が業務停止、45%が雇用削減/ZIP添付ファイルは5年で半減/DX研修で成果を出す秘訣とは、ほか

2025年02月03日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。

 今回(2025年1月25日~1月31日)は、DX研修で成果を上げている企業の取り組み、業務メールの添付ファイルの変化、働く人のテレワーク実施率や収入への不安、ランサム攻撃を受けた企業のビジネス被害の実態についてのデータを紹介します。

[DX][人材] DX研修の成果が出ている企業は「受講後の取り組み」に秘訣あり(サイボウズ、1月30日)
・従業員の行動変容に最も効果があるのは「ローコード/ノーコードを多くの人が利用できるようにする」こと
・「DXを自分事として取り組む姿勢」に効果があるのは「研修後に期待するアクションを明確に提示」すること
・「部門を超えた業務の改善能力」に効果があるのは「学んだ事柄を実践できる場・機会の提供」を確実に行うこと

 国内企業におけるDX人材育成の取り組みについての調査結果、提言を含む「間違いだらけのDX人材育成」レポートより。「DX研修の成果」と「受講後の取り組み」には相関関係が見られる。たとえば、受講後に期待する各自の職場でのアクションを「確実に/ある程度明確に提示」している企業の95%では、受講者が「DXを自分事として取り組む姿勢をもつ」成果が上がっているという。

 ⇒ DX研修は受講後の行動変容、実践を促すことが大事という調査結果。ちょうど受験シーズンですが、大人も「学んだ後が大切」であることには変わりありません。

DX研修受講後の取り組みと成果の関係(出典:サイボウズ)

環境整備とDX研修の成果(出典:サイボウズ)

[セキュリティ] “脱PPAP”が進む、業務メールのZIPファイル添付は5年で半減(デジタルアーツ、1月29日)
・業務メールの添付ファイルを調査、最多の拡張子は「PDF」
・「ZIP」添付ファイルは2020年調査から半減
・ZIP添付ファイルの過半数が「パスワード付きZIP」

 国内約2000組織、300万通以上の業務メールで添付ファイルを調査。拡張子で添付ファイルを分類すると、トップは「PDF」(36%)で、以下「XLSX(Excel)」(14%)、「ZIP」(12%)、「PNG」(9%)と続く。3位のZIPは、2020年2月調査では25%(2位)だったものが半減したが、これについては2020年に政府がパスワード付きZIPの添付(いわゆる“PPAP”)廃止方針を出した効果だと分析している。

 ⇒ ZIP添付ファイル減少の背景には、複数/大容量のファイル送付にファイルそのものを添付しない方法(クラウドストレージの共有URLなど)が普及したこともありそうです。

業務メールの添付ファイル形式、2020年2月と2024年12月の比較(出典:デジタルアーツ)

ZIP添付ファイルのパスワード有無(出典:デジタルアーツ)

[働き方][生産性] テレワーク実施率はコロナ禍以後で最低、ただし効率化への意識が高いのはテレワーカー(日本生産性本部、1月30日)
・テレワーク実施率は14.6%、2020年5月の調査開始以降で最低に
・職場での「生産性向上の取り組み」実施率はテレワーカーが高い
・自身の収入に「不安」は6割超え、不安感は微増傾向

 2020年5月から定期的に実施している「働く人の意識調査」の第16回目。20歳以上の日本企業/団体に雇用されている1100人が対象。テレワーク実施率は、過去最低だった前回(2024年7月)の16.3%を下回る14.6%だった。最近1年間の「職場での生産性向上の取り組み」については、「業務の進め方」「情報共有」「業務の改廃」などが上位に挙がり、それぞれの取り組みの実施率はすべての項目で「テレワーカー」が「非テレワーカー」を上回っている。

 ⇒ 「テレワーク」という言葉が懐かしく感じるこのごろ。そういえば「ハイブリッドワーク」もあまり聞かなくなりました。

勤め先の業績に「(全く/どちらかと言えば)不安は感じない」は52.3%。2023年7月以降は5割超えが続いている(出典:日本生産性本部

一方で、今後の自身の収入に「(かなり/どちらかと言えば)不安を感じる」は64.4%。微増傾向にある(出典:日本生産性本部

職場での生産性向上の取り組み(テレワーカー、非テレワーカーの比較)(出典:日本生産性本部

[セキュリティ] ランサム攻撃を受けた日本企業の過半数が「業務停止」に(Illumio、1月29日)
・ランサム攻撃を受けた日本企業の51%が業務停止に、70%は警察などに報告せず
・攻撃の封じ込めから修復に要する平均コストは16.4人、1人あたり138時間
・侵害を受けやすいデバイスは「PC」、主な侵入経路や「RDP」と「フィッシング」

 日本を含む6カ国のセキュリティ担当者2547人を対象に調べた「ランサムウェアのコストに関するグローバル調査レポート」より。日本企業において、ランサムウェアの攻撃を受けた企業の51%が業務停止に追い込まれ、48%が顧客を失い、45%が雇用削減を余儀なくされ、35%が大幅な減収になったと報告している。しかし、ランサム攻撃を受けた日本企業の70%は「警察などの法的機関に報告していない」。その主な理由は「事件を公表したくない」(38%)、「身代金の支払い期限が迫っている」(37%)、「報復を恐れている」(29%)など。

 ⇒ ランサム攻撃を受けた場合の、ビジネスへの影響の甚大さがあらためて浮き彫りに。企業規模を問わず、ランサム攻撃を防ぐ、そして被害を軽減させるための対策は「必須」と言えます。

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  • 角川アスキー総合研究所