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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第167回

IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 1月11日~1月17日

“Google検索離れ”データでも明らかに/コロナ後の人流回復で店舗集客システム市場が活況、ほか

2025年01月20日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。

 今回(2025年1月11日~1月17日)は、金融業界向けの国内IT市場動向、2024年のランサムウェアエコシステムに起きた変化、コロナ禍以後に活発化しているリアル店舗への集客支援システム、“Google検索離れ”などの変化が見られるネットユーザー行動分析のデータを紹介します。

[金融] 金融業界向けのIT市場、業務系システム刷新などで好調(IDC Japan、1月16日)
・2025年の国内金融IT市場規模は前年比7.5%増、3兆3290億円
・2023~2028年の年平均成長率(CAGR)は6.5%
・メガバンク、地方銀行、損害保険、大手証券会社などで業務系システム刷新

 国内金融IT市場は、2024年の国内経済の堅調な推移などの要因により、大手金融機関を中心としてIT支出に積極的な状態が続いた。IT支出の目的は「業務系システムの刷新」「デジタルビジネスの推進」「データ基盤構築」など。その一方で、地銀などの地域金融機関は、地域経済停滞の影響を受けて低い成長率にとどまると予想している。2028年の国内金融IT市場規模は、3兆8956億円の予想。

 ⇒ IDCでは、国内金融機関が生き残り、ビジネスを持続的に拡大させていくためには「迅速なシステム開発のための内製化」「業務効率化」「生成AIの採用」が必須だとしています。

国内金融IT市場 主要業態別 前年比成長率予測(出典:IDC Japan)

[セキュリティ] 2024年はランサムウェアグループ数が30%も増加(セキュアワークス、1月17日)
・2024年に活動が見られたランサムウェアグループは前年比30%増
・過去12ヶ月で31の新興グループがランサムウェアエコシステムに加わる
・主な侵入経路は「脆弱性スキャン・悪用」「窃取済み認証情報の悪用」で7割超

 2023年6月~2024年7月に観測されたセキュリティイベントをまとめた「2024年版 サイバー脅威の実態レポート」より。ランサムウェア攻撃を行うグループ数は増加したが、これまでトップだった「LockBit」グループの被害を受けた組織の割合は、全体の17%から8%に減少。2024年2月に法執行機関が行ったテイクダウンの効果を裏付けた。ただし、その1週間後に登場した「RansomHub」が7%を占めるようになり、同期間中で3番目に活発なグループになった。そのほかレポートでは、多要素認証(MFA)の回避手法として中間者攻撃(AiTM:Adversary-in-The-Middle)が増加していることなども報告されている。

 ⇒ 大手攻撃グループを崩壊させた結果、その構成員たちが新興グループに移っているという図式。残念ながら、ランサムウェアエコシステムはかなり強靱のようです。

[小売] 「人流回復」で店舗集客・MEO対策支援システム市場は好調(アイ・ティ・アール、1月16日)
・2023年度、国内の店舗集客・MEO対策支援システム市場は前年度比35.5%増
・2023~2028年もCAGR 27.2%の高い伸びが続くと予測
・背景には「リアル店舗への回帰」、ローカル検索の需要が拡大

 2023年度、国内の店舗集客・MEO(マップ検索エンジン最適化)対策支援システム市場は、前年度比35.5%増の42億円を売り上げた。コロナ禍が明けて人流が回復し「リアル店舗への回帰」が進んだこと、ベンダーによる積極的なマーケティングが展開されていることが背景にあるという。

 ⇒ いつの間にか、飲食店探しで地図アプリや飲食店検索サイトが欠かせなくなりました。もっとも、一番頼れるのは“知人の口コミ”です。

店舗集客・MEO対策支援システム市場規模推移および予測(2022~2028年度予測)(出典:ITR)

[消費者][トレンド] Google検索回数は6%減少、これからは“生成AI検索”の時代?(ドーモ、1月16日)
・世界のネットユーザー数は55.2億人、過去最高を記録
・Google検索は毎分590万回、前年比6%減
・エンタメ分野ではNetflixの配信時間が減少、TikTokやSnapchatが好調

 インターネット上でのユーザーの行動を“分単位”で計測・分析した年次レポート「Data Never Sleeps」の第12版(2024年版)。今年の大きなトピックは、Google検索の回数が前年から6%減少(毎分630万回から590万回へ)したこと。その一方で、Appleの「Siri」は毎分100万回以上、Google「Gemini」のビジター数は毎分8574人と、生成AIアシスタントを使ったWeb検索の役割が大きくなっている兆候ではないかと分析している。また、エンターテインメント分野では、Netflixの配信時間が2021年比で19%減少(1分あたり36万2962時間)する一方で、TikTokユーザーは毎分1万6000本の動画をアップロードし、SnapchatのSnap送信数は2022年比で37%増加するなど、明暗が大きく分かれている。

 ⇒ 筆者の身近にいる高校生(娘)のネット行動を観察すると、たしかにGoogle検索ではなくAIチャットやTikTokで調べ物をしています。時代の変わり目が来ているのかもしれません。

世界のインターネットユーザーの“1分あたり”の行動は?(出典:Domo)

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