SUPER GT開幕直前! 公式テストから見る今年の注目チーム

文●折原弘之 写真●折原弘之

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今年も4月16~17日に岡山国際サーキットで開幕を迎えるSUPER GT

ディフェンディングチャンピオンのTGR TEAM au TOM'S

取り逃したチャンピオンを狙うTEAM KUNIMITSU

心機一転のニスモはマシンをZにスイッチ。王座奪還に意欲を燃やす

 4月17日のSUPER GT開幕戦に向け、3月12~13日に岡山、3月26~27日に富士で、2度に渡る公式テストが行なわれた。昨年を振り返るとGT500クラスでは大波乱の最終戦で、逆転チャンピオンを手に入れたトヨタの「TGR TEAM au TOM'S」。シリーズチャンピオンをほぼ手中に収めながら、同士討ちの形で取り逃がしたホンダの「TEAM KUNIMITSU」。苦しいシーズンになった、ニッサンの「NISMO」と思い思いのシーズンを過ごした。

2021年のGT300チャンピオンに輝いたR&D SPORTのスバルBRZ

 そしてGT300クラスも6チームが最終戦まで、チャンピオン争いに残る大激戦。その激戦を制し、悲願のシリーズチャンピオンに輝いたスバルのR&D SPORT。公式テストは今シーズンを占う上で、ライバルの実力を知る絶好の機会でもある。エントリーしたマシンを紹介しながら、今シーズンを占ってみたい。

トヨタ勢で注目したいTGR TEAM KeePer TOM'Sスープラ

 GT500クラスだが、チャンピオンを決めたトヨタは、昨年同様スープラを続投。3メーカー中では最多の6台を投入している。中でも注目なのはサッシャ・フェネストラズ、宮田莉朋組の37号車 TOM'Sだろう。ディフェンディングチャンプの36号車も、好調をキープしているようだが新加入のジュリアーノ・アレジ(ジャン・アレジと後藤久美子の息子)はGT500クラス初挑戦。良くも悪くも不確定要素となっている。

ホンダ勢の中で注目したいAstemo REAL RACINGのNSX

 ホンダもトヨタ同様、NSXを続投した。このNSXは完成度が高く、今シーズンもチャンピオン候補の筆頭だ。中でも僕が注目したのはAstemo REAL RACING。今シーズンは塚越広大選手と松下信治選手のペアリング。スピードのある2人がタッグを組むことで、最速のチームになったことは間違いないだろう。もしこの2人が噛み合えば、シリーズチャンピオンに最も近い存在と言える。そしてこのじゃじゃ馬2人の手綱を握る、チームの統率力が試されるシーズンであるとも言える。

新型Zを投入し王座奪還を狙うNISMOのZ

 対してニッサンは昨年まで使用していたGT-Rから、新設計のZにスイッチしチャンピオンを獲りに来た。トヨタ、ホンダの信頼性に、革新で挑む図式となったわけだ。ここ数年思うような成績を残せなかったNISMOだけに、新型Zにかける想いは並々ならぬものがある。どのメーカーもそうだが、NISMOは特にワークス気質が強く、23号車に力が集中するきらいがある。メーカーとしてチャンピオンを狙う体制が、より濃い形となってあらわれているチームといえるだろう。そういった理由でNISMO陣営で注目なのは、松田次生とロニー・クインタレッリのコンビを有する23号車であろう。

ランボルギーニとプリウスが混走するGT300クラス

プリウスだが中身は完全にレーシングカー

 昨シーズン、最終戦まで大混戦となったGT300クラスは、予想するのが非常に難しい。と言うのも、2つの異なった規定で作られたレーシングマシンが混走する形だからだ。1つは世界中で使用されているGT3規格の車両、もう1つはSUPER GTのために作られたJAF-GTと呼ばれる車両だ。そのためフェラーリやランボルギーニといったスーパーカーと、プリウスや86などが混走する世界的にも稀なカテゴリーになっている。

 エンジンだけ見ても2000ccツインターボや、4900ccNAなどバラエティーに富んでいる。一見するとスピードやパワーに大きな差が出てしまうように思えるが、BoP(バランスオブパフォーマンス)と言う規制を設けて性能調整を行う。これによってフェラーリとプリウスが、同じレベルでレースができると言うシステムだ(といってもプリウスは市販車とは別モノだが)。

 そんなわけでGT300クラスには、実に多種多様な車がエントリーしている。ざっと見てもメルセデス、BMW、アウディと言ったドイツ車勢。フェラーリ、ランボルギーニのイタリア勢、対する日本勢はNSX、GT-R、86、BRZ、スープラ、プリウス、クラウンと言ったところ。中でも86/BRZは、3種類の素性の違うマシンが出場している。

apr制作の新規86で参戦するmuta Racing INGING

マザーシャーシと呼ばれる86でエントリーのArnage Racing

スバルワークスのR&D SPORT BRZ

 1つはマザーシャーシと呼ばれる86。このマシンは86の顔をしているが、外装を変えるだけで何のマシンにでも変われるシャーシだ。過去には外装をロータス・エリーゼに変えて出場していたチームもあった。もう1台は昨年のチャンピオンマシン、スバルが独自開発したBRZだ。市販車のBRZは86と兄弟車だが、このマシンはスバル製のワンオフで、まさにワークスマシン。そして今年から参戦したapr制作の86だ。このapr製86は、3チームが使用を決めており一大勢力となっている。

apr制作の新規86で参戦するSHADE RACING

BMW M4 GT3でチャレンジを再開したBMW Team Studie×CSL

新規チームとしてGT-Rで参戦のBUSOU Drago CORSE

 そして今年から新たに参入したのが、SHADE RACINGとBUSOU Drago CORSE、そしてマシンをBMW M4 GT3にチェンジして復活したBMW Team Studie×CSLだ。SHADE RACINGはスーパー耐久でチャンピオンになるなど、着実に実力を培って満を辞しての参戦だ。BMW Team Studie×CSLも日本のBMWワークス的存在で、1年間のGT休止を経て復活したチーム。そしてBUSOU Drago CORSEは、監督の道上 龍氏とキットパーツメーカーのBUSOUがコラボレーションしたまったくの新規チームだ。

以前のチャンピオンコンビ井出、柳田両選手と道上監督

 このチームには元F1ドライバーの井出有治とGT500チャンピオンの柳田真孝がタッグを組んでいる。この2人は2003年にGT300チャンピオンを獲得したコンビだ。オールドGTファンには、なんとも懐かしいコンビの復活となった。

 新型Zを投入しGT500の復権を狙うニッサン。昨年チャンピオンを獲り逃したホンダ。ディフェンディングチャンピオンのトヨタ。今年のGT500も、最終戦までチャンピオン争いが続く激戦の予感だ。そしてGT500以上に混戦が見込まれるGT300。今シーズンもSUPER GTから目が離せそうもない!

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■筆者紹介───折原弘之

 1963年1月1日生まれ。埼玉県出身。東京写真学校入学後、オートバイ雑誌「プレイライダー」にアルバイトとして勤務。全日本モトクロス、ロードレースを中心に活動。1983年に「グランプリイラストレイテッド」誌にスタッフフォトグラファーとして参加。同誌の創設者である坪内氏に師事。89年に独立。フリーランスとして、MotoGP、F1GPを撮影。2012年より日本でレース撮影を開始する。

■写真集
3444 片山右京写真集
快速のクロニクル
7人のF1フォトグラファー

■写真展
The Eddge (F1、MotoGP写真展)Canonサロン
Winter Heat (W杯スキー写真展)エスパスタグホイヤー
Emotions(F1写真展)Canonサロン

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