最新パーツ性能チェック 第363回
最新エントリー向けGeForceの実力を試す
Ampere世代の“50番台”GPU、GeForce RTX 3050をレビュー! 低コストにDLSSを導入できるGPU
2022年01月26日 23時00分更新
RTXテクノロジーをより広いユーザーに届ける
「GeForce RTX 3050」の実力検証
2022年1月26日23時、NVIDIAはAmpere世代のデスクトップPC向けエントリーGPU「GeForce RTX 3050」(以下、RTX 3050)の販売をグローバルで解禁した。RTX 3050は型番から推測できるように、2021年初頭に登場したRTX 3060の下位モデルにあたる。
先代のRTX 20シリーズにおいては、RTXは2060がエントリーであり、それより下の価格帯はRTコアやTensorコアを持たないGTX 16シリーズがカバーしてきた。しかし、RTX 30シリーズではRTX 3050が担当する。
RTX 3050の国内販売価格は、NVIDIAの予測では約4万円〜となっているが、国内での初値は約5万円〜というデータが様々なリークなどから判明している。様々な流通コスト上昇に加え、円安という悪条件が重なる経済情勢を考えれば当然といえる。ただ、1月21日に発売されたAMDの「Radeon RX 6500 XT」は3万円台中盤がボリュームゾーンであったことを考えると、同じ“5”系統のGPUであるRTX 3050の割高感は拭えない。
だが、RX 6500 XTはスペックを絞りに絞って安くした結果、ゲーミングに足る性能を絞り出せるスイートスポットが狭いGPUになってしまった(レビュー記事はこちら)。RTX 3050は同じ轍を踏むのか否か非常に気になるところだ。
RTX 3050は、従来の“50番台”のGeForceでは性能が圧倒的に足らない最新AAAタイトルをフルHD(1920×1080ドット)で快適に遊ぶためのGPUという位置付けになる。RTXの名を冠しているのでDXR(DirectX Raytracing:いわゆるレイトレーシング)やVRS(Variable Rate Shading)といったDirectX 12 Ultimateの機能をフルカバーしつつ、GeForce独自のDLSS(Deep Learning Super Sampling)や、新たに実装された超解像技術付きダウンスケーラーDLDSR(Deep Learning Dynamic Super Resolution)といった機能を利用できる。
つまり、NVIDIAが言うところの“RTXテクノロジー”をより多くの人に使ってもらおうという製品である。RTXシリーズといえばとかくレイトレーシングを強調するきらいがあるが、RTX 3050は“レイトレーシングも楽しめる”程度であり、RTX 3050の存在意義はDLSSやDLDSRにあると筆者は考えている。
1月5日にRTX 3050を発表した時の資料より抜粋。GTX 1050や1650といった50番台GPUでは、今のAAAタイトルをフルHDですらロクに動かすことはできないが、RTX 3050ならば60fps以上どころか120fps出せる場合もある、という主張
そして、GTX系の50番台ではレイトレーシングを有効にすることすらできないが、RTX 3050なら楽しめる。勿論エントリーGPUであるRTX 3050ではパワーが足らないので、DLSSを併用して楽しもう、という感じか
今回、筆者は幸運にもASUS製のハイエンドRTX 3050搭載カード「ROG-STRIX-RTX3050-O8G-GAMING」をテストする機会に恵まれた。RTX 3050は既存のGeForce RTX 2060やGeForce GTX 1650、そして安さに挑戦したRX 6500 XTに対してどの程度の性能なのか、様々なベンチマークを通じて検証していきたい。
RTX 3050は3060同様にFounders Edition(FE)がないため、ASUSより3連ファン搭載のハイエンドモデル「ROG-STRIX-RTX3050-O8G-GAMING」をお借りした。国内販売価格は不明だが、6万円は軽く超えてくる可能性もある
厚みは2.7スロット分といったところか。元々発熱量のさほど多くないGPUを使っているため、ヒートシンクのフィン密度はそれほど高くない。RGB LEDはカード上部(GeForce RTXロゴが入っていない方)に仕込まれている

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