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新車を買った情報2021 第91回

ガソリン最期の日まで走り続けるのはロードスターかジムニーか

2021年12月26日 12時00分更新

文● 四本淑三 編集● ASCII

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悪魔が囁きジムニーを見に走る

 話を現実に戻しますと、KPCと同じブレーキ制御の例として、現行型ジムニーの「ブレーキLSDトラクションコントロール」があります。これは空転する車輪をブレーキで止め、駆動力のロスを防いで踏破性を上げる仕組み。やはりスタビリティ・コントロールの応用編ですが、こちらはデフロックの代用で、低速域でガッツリ効きます。これは雪道でも相当な武器になるので、ジムニーに対する個人的評価は爆上がりしました。

 サーキットを走らない私の場合、ロードスターのLSDにメリットを感じていたのも、実は雪上走行です。多少滑っても両輪均等にトラクションがかかるおかげで、そこそこ不安なく走れる。特にスタックしかけた際にハンドブレーキを引きながらアクセルを踏むという、雪国伝統の手動LSDをやらなくても何とかなるのはありがたい。

 今回のKPCがジムニーのブレーキLSDばりに効いてくれたら面白いんですが、横方向に0.3G以上かからないと働かないそうです。これはブレーキで言えば助手席に置いたものが飛んでゆくような加速度。それを雪上で横方向に感じながら走れるのはカルロス・サインツのお父さんくらいで、少なくとも凡人が雪上を走る助けにはならないでしょう。

 だったら冬のためにジムニー買えばいいんじゃないの?
 そうしたら夏は軽いロードスターが楽しめるじゃん。
 だったら冬のためにジムニー買えばいいんじゃないの?
 そうしたら夏は軽いロードスターが楽しめるじゃん。

 LSD、LSDと書いているうちに、ついに悪魔の囁きが聞こえてきたようです。悪魔の話にしては悪くない気もするのは、どちらも日本の名車であり、この先も長く生産され続けるだろうこと。私はRFを最期のピュアガソリン車として買ったつもりでしたが、ロードスターの楽しさは電動化しても引き継がれてしまうかも知れません。一方、世界各国の過酷な環境で使われているジムニーは、最後までEVにするのが難しいはず。

 いま買っておけば、ガソリンエンジン最期の日まで添い遂げられるクルマになるんじゃないか。そんな妄想を抱えながら現行型のジムニー、JB64とJB74が置いてあるお店に、ちょっとだけ寄ってみました。

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