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FRONTEO、AIレビューツール「KIBIT Automator」の学習済モデルの精度検証機能のユーザビリティを強化

PR TIMES

株式会社FRONTEO
株式会社FRONTEO(本社:東京都港区、代表取締役社長:守本 正宏、以下 FRONTEO)はこの度、自社開発したAI「KIBIT」を搭載したAIレビューツール「KIBIT Automator」において、AIの学習済モデルの性能予測・性能検証のユーザビリティを強化し、「KIBIT Automator 5.12」としてリリースすることを発表いたします。


企業が管理するデータ量は年々増加の一途をたどっています。証拠保持者(カストディアン)一人あたり数TBにも及ぶことのあるデータを収集するディスカバリ(証拠開示手続き)やデジタルフォレンジック(不正調査)においては、膨大な量の文書の中から証拠につながる文書を限られた期間内で見つけなければならず、訴訟に関わる法務部門や弁護士にとっては時間と調査の品質、コストが大きな課題となっていました。中でも「レビュー(閲覧)」と呼ばれる工程は、ディスカバリやデジタルフォレンジックのプロセスの中でも7割から8割の時間とコストを占めるとされており、テクノロジー(コンピューターやAI)を活用したレビュー(TAR:Technology Assisted Review)の必要性が高まっています。

FRONTEOは2019年、このニーズに応えるべくAIレビューツール「KIBIT Automator」を開発しました。KIBIT Automatorには、KIBITを構成する複数のアルゴリズムが内蔵されています。例えば、2012年のリリース以来改良を重ねてきた、少数の教師データでも学習力を発揮する基本アルゴリズム「Landscaping」に加え、教師データの割合が大きい場合に特に力を発揮する独自のアンサンブル学習「Illumination Forest」(2020年1月リリース)、また、メールやファイルの作成者・送信者や日付情報を考慮して精度を高めることのできる「Illumination Forest + Meta」(2020年10月リリース)などがKIBITで使われているアルゴリズムの一例です。これらは、不正調査・訴訟案件で取り扱うテキストデータの性質や探索の目的によって使い分けられており、Illumination Forest系統のアルゴリズムは昨年のリリース以来日米の案件で多く利用されています。

また、これらのアルゴリズムの選択には自然言語処理や統計解析の知見が必要とされますが、FRONTEOではリーガルテック分野専任のデータサイエンティストが、弁護士によるアルゴリズムの選択をサポートする体制を構築しています。今回ユーザビリティが改善された機能は、Recall Rate(注1)やPrecision Rate(注2)、カットオフポイント(注3)の予測というKBIT Automatorのコア機能に対して、データ選択の柔軟性を与えるもので、特にIllumination Forestのようなアルゴリズムの検証を行う上で、検証を従来よりも容易にします。

図:Recall rate & Precision rate測定画面
フォレンジックやディスカバリにおいては、証拠となるドキュメントの濃度は案件によって大きな違いがあります。また、大規模調査案件では、特徴の大きく異なる複数のテキストデータ群に対して、学習済モデルを複数作成する必要があります。濃度の違いに応じて、また、テキストデータの特徴に応じてアルゴリズムの種類を選択し、複数のアルゴリズムを使いこなすことにより、コスト削減や精度向上につながる、より精緻な解析が可能となります。

FRONTEOは今後も独自のツールを提供するデジタルフォレンジック/ディスカバリベンダーとして、アルゴリズムの改善とそのアルゴリズムを使いこなすためのアプリケーション機能およびユーザビリティの改善に取り組み、データサイエンティストによるAI対応能力の増強を行うことにより、今後も継続すると予想される調査対象データの大容量化への対応に加え、アジア言語処理の精度向上に貢献していきます。


注1) Recall rate(再現率):調査対象データ全数において「証拠として関連性がある」と評価されるデータが含まれている割合

注2) Precision rate(適合率):「関連性あり」とAIがスコア付けしたデータ全数の中から、実際に関連性ありと評価されたデータが含まれる割合

注3) カットオフポイント: AIが証拠としての関連性の高いものから並べたデータの上位何パーセントまで人間が確認すれば残りのデータは閲覧せずに済ませるかを表した数字


■ KIBIT Automatorについて URL: https://legal.fronteo.com/products/kibit-automator/
「KIBIT Automator」は、米国民事訴訟の公判手続きで必要となる証拠開示(ディスカバリ)の中でも特に、電子証拠開示(eディスカバリ)における文書レビュー作業の効率向上、作業担当者の負荷軽減、費用削減を目的として開発されたAIツールで、2019年3月にリリースされました。ディスカバリで使われる調査手法を応用し、AIを活用して証拠資料である大容量の電子メールや電子ファイルの審査・分析を行います。近年、企業に求められている、短期での情報開示への対応も期待されます。

■ FRONTEOについて URL: https://www.fronteo.com/
FRONTEOは、自然言語処理に特化した自社開発AIエンジン「KIBIT」と「conceptencoder」を用いて膨大な量のテキストデータの中から意味のある重要な情報を抽出し、企業のビジネスを支援する、データ解析企業です。2003年8月の創業以来、企業の国際訴訟を支援する「eディスカバリ(電子証拠開示)」や、「デジタルフォレンジック調査」というリーガルテック事業をメインに、日本、米国、韓国、台湾とグローバルに事業を展開してきました。リーガルテック事業で培ったAI技術をもとに、2014年よりライフサイエンス分野、ビジネスインテリジェンス分野、経済安全保障へと事業のフィールドを拡大し、AIを用いて「テキストデータを知見に変える」ことで、創薬支援、認知症診断支援、金融・人事・営業支援など、様々な企業の課題解決に貢献しています。2007年6月26日東証マザーズ上場。2021年1月13日第一種医療機器製造販売業許可(許可番号:13B1X10350)を取得。資本金2,973,975千円(2021年3月31日現在)。

※FRONTEO、KIBIT、conceptencoderはFRONTEOの日本における登録商標です。

PDFはこちら
https://prtimes.jp/a/?f=d6776-20210712-cc13035b25f5d18332469c7736827b17.pdf