UWPアプリとデスクトップアプリを統合する
Project Reunionはどうなるのか?
一般にOSのメジャーなバージョンアップは、APIの変更を意味し、SDKについても大きく変わるのが普通である。Windows 11では、Windows 8から続く、WinRTベースのアプリ環境(モダン環境、ストアアプリ、UWPアプリ)の重視をやめ、デスクトップアプリへの復帰を想定しているのだと思われる。そしてProject Reunionはそのための布石だったのだろう。Windows 11の特徴の1つに、刷新されるMicrosoftストアがある。ここでは、従来のUWPやパッケージ化されたデスクトップアプリ以外に、さまざまな形式のアプリが販売可能になるという。
そもそも、モダンアプリ(ストアアプリ)は、Windows 8で不正コピーや不正改良されないようにソフトウェアをWindowsストアで販売するために作られた。アプリケーションの作り方やパッケージ形式を根本から変えることで、高いセキュリティを保とうとしたわけだ。
ただしそれは、アプリケーション自体に対する制限でもあり、ストアアプリにすることができないWin32アプリケーションが多数ある中では難しい話だった。
Windows 10では、このストアアプリを元に、AndroidやiOSなどのさまざまなプラットフォームのアプリケーションに作り分けが可能になるUWPを用意したため、制限はより厳しくなった。Microsoftとしては、他のプラットフォームへの移植のしやすさからUWPが選択されると考えていたが、現実はそうそう甘くなく、スマートフォンの開発者からも、Win32アプリの開発者からも歓迎されなかった。
そこで、MicrosoftはUWP重視をやめ、Win32アプリにもUWPで開発したさまざまな機能を持ち込むことにした。これがProject Reunionである。考えてみれば、Project Reunionは、Windows 11のAPIセットのプレビューだったわけだ。
Windows 11は、Windows 8からの「負の遺産」を精算するためのものといえる。Windows 11のタイミングでスタートメニューが変わるのは、Windows 8で導入されたタイルやライブタイル機能を捨てるのが1つの目的だ。さて来週には、プレビュー版が配布されるので、いろいろと確認してみたい。
この連載の記事
-
第427回
PC
WindowsのPowerShellのプロファイルを設定する -
第426回
PC
WindowsでAndroidスマホをWebカメラにする機能を試した -
第425回
PC
無料で使えるExcelにWord、Microsoft 365のウェブ版を調べた -
第424回
PC
Windowsの基本機能であるクリップボードについてあらためて整理 -
第423回
PC
PowerShellの今を見る 2つあるPowerShellはどっち使えばいい? -
第422回
PC
Windows 11の目玉機能が早くも終了、Windows Subsystem for Android(WSA)を振り返る -
第421回
PC
進化しているPowerToys LANで接続したマシンでキーボード/マウス共有機能などが追加 -
第420回
PC
Windowsプレビュー版に搭載されたsudoを試す -
第419回
PC
Windows Insider Previewが変わって、今秋登場のWindows 11 Ver.24H2の新機能が見えてきた? -
第418回
PC
Windows 11のスマートフォン連携は新機能が追加されるなど、いまだ進化している -
第417回
PC
Windows 11のスマートフォン連携機能をあらためて使ってみる - この連載の一覧へ