バイオ流サバイバルアクションという醍醐味
バイオハザード7は純粋な「サバイバルホラー」だったのに対し、最新作のバイオハザード ヴィレッジは「サバイバルアクション」を強調した作品に仕上がっている。イメージとしては、前作はサバイバルホラーの代名詞である第1作のバイオハザードで、本作はサバイバルアクションの代名詞である『バイオハザード4』といった具合だ。
バイオハザード ヴィレッジはバイオハザード4の精神を継承した作品で、弾薬や回復薬などのアイテムをやりくりしながら、次々に襲いかかってくる敵に挑んでいく。敵を倒してお金を集め、武器や弾薬、回復薬を購入するといった流れが基本となる。だが、これはあくまでも一例にすぎず、節約するために敵を倒さずにプレイするのはもちろん、ナイフ縛りや買い物禁止縛りなど、自分なりのプレイスタイルで楽しめる。どのように本作を楽しむかはプレイヤーの自由だ。
バイオハザードといえば「ゾンビ」だが、本作には「人狼」や「魔女」といったゴシックホラー作品をモチーフにした敵が多く登場する。とくに「ライカン」と呼ばれる人狼は、序盤に登場する敵でありながらゾンビよりも獰猛かつ俊敏な動きを見せるため、かなり手強かった。ほかにも多彩な敵が登場するので、手に汗握る戦いを味わってもらいたい。あっと驚くような敵もいるが、それは本編をプレイして確かめてほしい。
私が一番気に入っている敵は、発売前のPVでも話題になった「ドミトレスク夫人」。貴婦人ながらも身長が約290cmという驚異的な体躯が特徴のボスだ(豆知識:ASCII編集部のつばさは175cm)。鋭利なかぎ爪を振るってイーサンに襲いかかってくる。高身長に加えて、冷酷非道な性格も恐ろしく、彼女に遭遇するたびに何度も鳥肌が立ってしまった。こんな貴婦人に果たして勝てるのだろうかと畏怖したものだ。ドミトレスク夫人、恐るべし……。
もう1つ気に入ったのは武器のラインアップだ。従来の「ハンドガン」「ショットガン」「マシンガン」に加えて、前作にはなかった「スナイパーライフル」「地雷」「パイプ爆弾」も登場。とくに地雷とパイプ爆弾は銃器メインの戦闘を補助する役割を持っており、生き残るうえでかなり重宝するはずだ。武器のラインアップが増えたことで戦略の幅が広がるとともに、敵を倒したいという欲も湧いてくる。トリガーハッピーやシューターが好きな人の心を刺激することだろう。
次に取り上げたいのは、ショップの概念だ。本作には、村のいたるところに「デューク」という武器商人が出没し、お金と引き換えに武器の購入や、弾薬および回復アイテムの補充、換金アイテムの売却、武器の強化が可能だ。この要素もバイオハザード4の影響を受けている。
バイオハザードの世界において、弾薬と回復薬は欠かせない存在だ。お金はステージ内に隠されていたり、敵を倒したりすると入手できるので、お金が貯まったらお買い物に励むといいだろう。また、素材を集めることで弾薬と回復薬をクラフトできる。お金だけでなく素材を集めることも大事だ。
また、攻略をするうえで、武器を強化することも大事だ。強化すればするほど戦闘が有利になるほか、弾薬の消費も抑えられるからだ。もちろん新武器を購入するのもアリ。生存確率を上げるために、どの武器を優先して強化すべきか、またはどの武器を購入すべきかを考える面白さもあった。
これらのリソースを使ってどのようにサバイブするべきか。手強いボスをどう攻略するか。バイオハザードシリーズを象徴するサバイバルホラー体験の面白さは、本作でも健在、むしろパワーアップしている。これぞバイオハザードといいたくなる出来であった。
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