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四本淑三の「ガレージ・ギークス!」 第5回

電動vs.人力 タイヤ交換の戦い

2021年04月25日 12時00分更新

文● 四本淑三 編集● ASCII

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■隠れた名品 Ko-kenのフレックススピーダー

 またしてもKo-kenの製品だが、私はKo-kenの回し者ではなく、Ko-kenを回す者だ。そこのところはひとつよろしくお願いしたい。

 このクネクネした金属の棒は、Ko-kenのフレックススピーダー「4781N-450」。クランク付きのスピンナーハンドルで、ソケットの差込み軸が90度に折れ曲がるのがミソ。ナットの早回しはクランクをクルクル。コキっと曲げてL字型にすれば、テコの強いトルクでナットを締めたり緩めたりが楽にできる。

 この工具、私は人類の英知を結集した工具ではないかと思っている。なにしろテコとクランクの合わせ技だ。原始の物理だ。

 あの素敵なフリーターンクロスレンチにも作業効率で上回る。指で弾いて回転が落ちてきたタイミングでまた弾く。これを繰り返すフリーターンクロスレンチに比べると、最初から最後まで均一な速度でクランクを回せるから、早回しのストレスはより少ない。

 クランクとテコの切り替えも、前述の通りハンドルの向きを変えるだけ。フリーターンクロスレンチのハンドルをセンターに戻す、引き伸ばすの操作も楽しいのだが、摺動(しゅうどう)抵抗を若干伴うので繰り返しているうちに飽きてくる。

 なにより優れているのは、ハンドルが長いこと。早回しの際に地面に接触してしまうから、フリーターンクロスレンチのハンドルは、あまり長くできない。実際、フリーターンクロスレンチの350mmに対して、フレックススピーダーは100mmも長い450mmだから、締緩作業はずっと楽にできる。

 こんなに優れた工具なのに、似たものはスナップオンでしか見たことがない。Ko-kenの実売価格は6000円前後で、スナップオンの1/4程度。もっと流行ってもいいのかなあと思う工具だ。

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