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松村太郎の「"it"トレンド」 第306回

大学オンライン授業、教室との「ハイブリッド化」は複雑怪奇

2021年01月27日 09時00分更新

文● 松村太郎 編集● ASCII

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●PCを1台持ち込めばハイブリッドできる環境

 もちろん、CiscoやPanasonicなどからはカメラを搭載するデバイスが発売されており、これを使えばハイブリッド授業環境を構築できます。

 こちらはテスト済みで、手軽にハイブリッド環境が組めるのですが、1台50万円を超え、既存のZoomなどの環境を引き継ぐにもテクニックが必要となり、新たな機材やソフトウェアの習得も必要となり、授業のパターンも限定されてしまいます。

 そこで、iUに作っていたメディアスタジオの設備を生かした、普段使っているPCを1台持ち込めば、様々なパターンのハイブリッド授業を実現できる環境を、自前で構築するトライアルを実施した次第です。

 その設計図を組んでみました。

 核となるのはBlackmagic Designのスイッチャー「ATEM Mini Pro」。ここにカメラ2台、ワイヤレスマイク、学生発表時には学生のPCを接続します。これをUSB-Cで教員が普段使っているPCと結び、そのPCからZoomへオンライン側に映像と音声を送ります。

 普段は教員の顔やホワイトボードをねらっているカメラに合わせておきますが、学生が発言や発表をする場合は、学生側を向いているカメラにスイッチすることで、オンライン側に、教室で発言する学生の顔が映ります。

 このPCで資料を表示させて画面共有すれば、オンライン側の学生は普段のオンライン授業と同じ体験となります。

 同時に、そのPCのHDMI出力を教室のプロジェクターと結び、Zoomの画面を全画面表示にすることで、オンライン側に共有している授業資料、オンライン側からの発言の映像と音声がプロジェクターに映ります。

 こうしてPCの操作はそのままに、教室内の発言のときだけスイッチャーを触る最小限の追加操作でハイブリッド授業環境を整えることができました。

 ミラーレス一眼とATEM Mini Proをつないだ場合、Zoomに送り出しても、人の顔ですら高画質化を確認できるほど画質は良くなります。これは、ホワイトボードへの板書のクリアに届けられることを意味しており、この構成のメリットと言えます。

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