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松村太郎の「"it"トレンド」 第306回

大学オンライン授業、教室との「ハイブリッド化」は複雑怪奇

2021年01月27日 09時00分更新

文● 松村太郎 編集● ASCII

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●ハイブリッド授業?

 1月7日、大学で「ハイブリッド授業」のテスト環境を手元の機材で構築しました。ハイブリッド授業という言葉の定義にはある程度揺れがありますが、元来は教室内とオンライン越しで同時に生の授業を受けることを意味していました。

 ちなみに学校が閉鎖されたとき、教室とオンラインのハイブリッドが難しかったこともあり、オンライン授業と、録画した授業の視聴を「ハイブリッド授業」と呼ぶ向きもあったようでした。

 それではオンライン授業とハイブリッド授業、どちらが楽か? と言われたら、圧倒的に前者です。

●複雑怪奇なハイブリッド授業

 オンライン授業の場合、顔をきちんと明るく照らす照明とウェブカム、静かな部屋と声をきちんと拾うマイク、広いディスプレーをできれば2枚、ホワイトボード代わりになるタブレットとペンなどを揃えなければなりません。

 またPCも、かなりスペックが良くないといけません。Zoomなどのオンライン会議での映像と音声の送受信、資料などの画面共有、講義ノートの表示など、かなり重いタスクを並行して走らせなければならなくなり、これらを快適に走らせる性能が必要だからです。

 ただし学生も自分もひとまずPCに向かって授業をすればいいだけなので、PCのスペックは必要ですが、構成はシンプルと言えばシンプルです。

 ところがハイブリッド授業の場合、オンライン越しの学生にはオンライン授業と同様の体験を提供しなければなりませんが、これに加え、教室でPCを開かずに受講する学生も存在します。これがなかなか難儀するのです。

 授業は生の声もしくは教室内のマイクで聞き、ホワイトボードやプロジェクターの資料を見ることになります。加えて、基本的に双方向の授業となるため、オンラインで参加する学生の発言や発表も、教室内でPCレスで見られなければなりません。

 その逆もしかりで、教室にいる学生が発言や発表をするとき、オンラインで参加する学生にも映像や資料、音声を届けなければならなくなります。

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