ワンメイクレースのサーキット専用マシン
「ポルシェ 911 GT3 Cup」
最後に、最新のポルシェから1台。レース場でしか見かけることができない(公道走行不可)2001年から行なわれている、ワンメイクレース「ポルシェ・カレラカップ・ジャパン」の参戦車両911 GT3 Cupです。
Type991をベースとする911 GT3 Cupには、リアに460馬力を発生する3.8リットル水平対向6気筒ターボエンジンが搭載されています。
カーボン製のリアエンジンフードを開けても、見えるのはエアフィルターとオイルや冷却水の給油口のみ。ジャッキアップしないとエンジンの姿を見ることはできません。レース用車両なのにエンジンのメンテナンス性が悪いのでは? と思いましたが、広報担当によると「滅多にエンジンのトラブルはありません」とのこと。
給油はフロントのボンネットを開けて行ないます。このボンネットもカーボン製で軽量。RR(リアエンジンリア駆動)なのでフロントにはほぼ何もありません。
車内はレーシングカーらしく、とてもスパルタン。このType991からパドルシフトが採用されました。フルバケットシートにもポルシェのロゴが刺繍されています。
ちなみに気になる値段ですが、ポルシェ・カレラカップ・ジャパンへのエントリー費用を含めて3000万円でお釣りがくるとのこと。ほぼ同じ車両価格のTCRクラスよりもハイパワーだから「オトク」かも? しかも、911 GT3 Cupはスーパー耐久シリーズやニュルブルクリンク24時間レースに参戦していることから、そちらへの参戦も視野に入れることができます。
広報担当によると「イニシャルコストは高額に思えますが、接触を除く破損を除けば、クルマとして壊れることはほぼなく、ランニングコストはレース車両としてはかなり安価」だそう。レース毎にエンジンをバラして……という必要がないことから、エンジンフードを開けてもエンジンを拝むことができないのかと納得。さらに他カテゴリと比べ、中古マーケットが確立されているため、マシン売却も容易だとか。そう考えると「初期費用はかかるものの、その後の運用コストとマシン売却を考えるとハードルが低いワンメイクレース」と思えてきます。もちろん、筆者には買えませんが。
ここで紹介したポルシェたちは、今でもサポートを受けることができるとのこと。マシンメンテナンスからアマチュアレースまでサービスを提供するところに、ポルシェの恐ろしさを感じずにはいられません。ASCII.jpでは、今年もポルシェを紹介しますのでお楽しみに。

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