GSPの量産を2020年第2四半期に開始
7Wで16TOPSの処理性能
HotChipsで発表した2年後の2019年11月、BlaizeはStealthモードから脱却。GSPの量産を2020年第2四半期に開始することを明らかにした。この前に社名はThinCIからBlaizeに変更されており(理由は不明)、これに合わせてPicassoと呼ばれるSDK(ソフトウェア開発キット)、およびAI Studioと呼ばれる「プログラミングレス」のソフトウェア開発環境もリリースされた。
チップそのものは、最終的に7Wで16TOPSの処理性能を持つとされており、組み込み向けにクレジットカードサイズのモジュール、およびM.2/PCIe カードタイプのものがすでに用意されている。
GSPが4個のもの。中央にあるのがPCIeスイッチで、そこに4つのGSPがつながっている構造。ちょっと気になるのはM.2モジュールにはDRAMが外付けされていたのに、こちらにはないこと。裏面実装だろうか?
ちなみにこの量産チップ(El Canoという名前らしい)はSamsungの14nm(14LPC?)で製造され、動作周波数は1GHz。またGSPの内部にはQuadとは別にOS稼働や制御用にDual Cortex-A53が搭載されているそうだ。
量産開始は今年第4四半期(もう終わりそうだが)予定で、M.2フォームファクターのXploler X1600Eが299ドル、組み込み向けモジュールのPathfinder P1600が399ドル、4つのGSPを搭載したXploler X1600P Quadが999ドルとなっている。
GSP自体は汎用というか、AIやグラフ処理が必要な場所にどこにでも利用可能であるが、同社や販売パートナーであるNSI-TEXEが力を入れているのは間違いなく自動車向けである。
MobileEyeのEyeQ5やNVIDIAのDrive AGX Xavierが狙うADAS/自動運転向けに、GSPを積極的に売り込んでいくつもりと思われる。無事にシリコンが出たというだけでも大した成果なのがAIスタートアップの現状であるが、それを乗り越えて自動車向けというハードルの高い市場に切り込んでいくBlaizeは、さて市場を掴めるだろうか?

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