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Indiegogoの国内銀行口座、日本円サポート――ハードウェアスタートアップの世界進出をJETROが支援

2020年12月04日 11時00分更新

文● ASCII

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 日本のベンチャー企業の世界展開を支援するべく、JETRO(日本貿易振興機構)とIndiegogoが2021年1月より「ジャパン・ファーストトラックプログラム」をスタートする。2020年11月17日、JETROサンフランシスコセンターの樽谷範哉氏とIndiegogoのハードウェア&テック担当マネージャーStacy Bradford氏が、同プログラムについての説明会をオンラインで開催した。

JETROサンフランシスコセンターの樽谷範哉氏

 JETROの樽谷氏はまず、なぜJETROがクラウドファウンディングと組んで日本企業の海外進出を支援するのかについて話した。

 クラウドファウンディングはその名の通り、人々(クラウド:crowd)より資金を集める(ファウンディング:founding)する仕組みだが、樽谷氏によると資金調達としての側面よりも、「クラウドファウンディングを行うことで得られる消費者からのフィードバック、マーケティングのノウハウ(プロダクトマーケットフィット)がとても有用」という。「クラウドファウンディングをGoToMarket戦略、アメリカや世界で展開するためのマーケティングのツールとして活用しよう」と樽谷氏は提案する。

 では、クラウドファウンディングの状況はどうか。まずは市場規模。2018年、世界のクラウドファウンディング市場において、調達額で最大だったのは中国で2154億ドル。米国は611億3000万ドルで2番目の市場だ。

 次に種類を見ると、一口にクラウドファウンディングと言っても様々で、大きくは寄付型、購入型、投資型、貸与・融資型と4つに別れる。Indiegogoは購入型に該当し、同じく購入型のクラウドファウンディングプラットフォームであるKickstarterと並ぶ大手だ。

 購入型とは資金提供者に対価として物品やサービスを提供するもので、2017年より年3%で成長している。購入型だけで、全世界で10億ドル、米国では5億ドルの規模に達しているという。今回のコロナ禍でも好調で、Indiegogoの場合は2020年4月のトラフィックは前年同月比14%増、資金調達額は同24%増だったという。

 実際にクラウドファウンディングを使う場合、気になる費用はどうなっているのか? Indiegogoでは、プラットフォームに対するフィー(プラットフォームフィー)、取引で支払うフィー(トランザクションフィー)、そしてトランスファーフィーの3つがある。トランザクションフィーは欧州の場合は2.9%、「日本は決まっていないが2.9%~3.9%で予定している」(樽谷氏)という。調達を終了後も継続利用できる「InDemand」は、他のサービスでやった場合は8%だが、日本のクラウドファウンディングサービスで調達している場合は5%となる。ただし、大きな額を調達している場合は8%とのことだ。「米国に売り出すときに、新しい商品として売り出すのか、実績がある商品として売り出すのかによって手数料が変わってくる」と樽谷氏は説明した。

 JETROが今回活用するIndiegogoの「グローバル・ファーストトラック・プログラム」は、すでに中国と韓国では開始しており、2016年にスタートした中国では670以上のキャンペーンがあり、資金調達額は2.6億ドルに達しているという。

 では、「ジャパン・ファーストトラック・プログラム」とはどのようなものなのか。これまでも日本企業がIndiegogoでキャンペーンを展開することはできた。だが米国法人があり、米国での銀行口座が必要などハードルがあった、と樽谷氏。今回のジャパン・ファーストトラックプログラムでは、米国法人や米国の銀行口座が不要。日本の銀行口座を使って日本円で取引ができる上、日本語でのサポートも用意する。

 これに加えて、JETROはプレローンチの支援も行う。クリックレートやコンバージョンレートなどをローンチ前に測定することにより、キャンペーン開始前にどのぐらい効果があるのかを調べるなどのこともできるという。また、SNSを通じて日本のキャンペーンを米国で応援したり、動画の作成(1分半~2分の動画を無料作成)を手伝うなどのことも行うという。別サービスとして、メンタリングのサービスなどを含む「JETRO Global Acceleration Hub」もある。

 Indiegogoは月間ユニークユーザーは1800万人、237の国と地域で展開しており、ホスティングしたキャンペーンは90万件以上を誇る。IndiegogoのBradford氏は、「2008年以来累計20億ドルを調達した」と胸を張り、Indiegogoの差別化として以下を挙げた。

・ハードウェアのテックとデザインが中心。貢献の80%がこのセグメントに該当し、Kickstarterと比較して32%多く調達できている。
・プロモーションのサポートを保証
・より多くの資金調達を支援する機能

オーディエンスの18%はアーリーアダプター 、34%がアーリーマジョリティという。

「現在、ハードウェアテックとデザイン企業にとってクラウドファウンディングはGoToMarket戦略の一部」というBradford氏、企業は資金調達(製造コストをまかなう)だけでなく、小売のチャネル確保、オーディエンスを調べるなどの目的で利用しているという。

 そして、クラウドファウンディングを使ったマーケティングのステップとして、1)計画を立てる、2)適切な人材を確保する、3)プロダクトのポジショニングを確立する、4)素材を構築する、5)トラフィックを増やす、とアドバイスした。

 「ジャパン・ファーストトラック・プログラム」は12月より受付を開始する。問い合わせ窓口として、JETROはメール(Startup@jetro.go.jp)を用意している。

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