●デザインは変わっていないが別物
13インチMacBook Proは、P3に対応するRetinaディスプレー、2ポートのThunderbolt / USB 4、Magic Keyboard、Touch Barと、MacBook Pro 13インチのボディをそのまま引き継いでいます。
そのマシン特性は、省電力性がとことん追求されており、回そうと思えばどんなMacよりも素早く処理をこなせる、使い方によってその特性を玉虫色に発揮するようなマシンでした。
まったく別の存在、としてみた方が良いとすら思っています。
ただ、4KのHDR映像の編集や書き出しでファンがまったく回らないということなら、MacBook Airでも涼しい顔をしてこなしてしまうでしょうし、多少軽量化もできて価格も3万円ほど安くなります。HDRなんて扱わない、ということであれば、MacBook Airで良いのでは、と思ってしまいました。
加えて、今回リプレイスされたのは13インチの下位モデルのみ。4つのThunderbolt 3ポートを備えた上位モデルは、引き続き販売が続いています。16インチも同様です。今後、M1Xなのか、M2なのか、はたまたM1×2になるのかわかりませんが、さらなる性能を実現するマシンが登場してくることになるでしょう。
というのも16インチMacBook Proはすでに100Whのバッテリーを搭載しており飛行機に搭乗する場合の手荷物に含まれるバッテリーの上限にぶつかっています。処理性能を高める上で電力供給を増大させる道はないわけで、高性能化を求める上でもM1チップへの移行は妥当だったとみるべきです。
忘れてはならないのは、この13インチMacBook Pro、Intel時代の最上位ノートを凌駕するスピードを発揮しながら、プロ向けモバイルノートでは最下位機種である、という事実です。
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。
公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura
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