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総勢200台! ラリーカーやプロトタイプまで榛名山に初代インプレッサ大集合!

2020年11月13日 15時00分更新

文● クリハラジュン 撮影●クリハラジュン

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伝説のメーカー「トミーカイラ」チューン!
トミーカイラ・M20b

 「トミーカイラ」という名に聞き覚えはありますでしょうか? 京都発の自動車メーカーである「トミタ夢工房」が量産されているスポーツカーをベースに独自のチューニングを施し、メーカー保証を残したコンプリートカーとして販売していたブランドです。そのトミーカイラが1997年に販売していたのが、このM20bです。

 スポーツグレードであるWRXをベースにしたコンプリートカーで、エンジンはもちろん、内外装もトミーカイラ流にアップデート。当時のWRCマシンをイメージさせるようなド迫力のバンパーと大型リアウィングが特徴です。

ディーラーによるコンプリートカー
WRX MG-40

 このWRX MG-40は、神奈川県内のSUBARUディーラーを運営している「神奈川スバル」がかつてスバルオート横浜と呼ばれていた時に限定販売されていたコンプリートカーです。販売された台数がわずか50台だけというとても貴重なインプレッサです。

 2ドアモデルの「type R STi Version IV」をベースに、オリジナルエアロパーツでより迫力のあるピュアスポーツカーとなっています。

この車両は、フロントバンパーがトミーカイラ製に交換されている。より貴重なカタログも添えて

ラリーカーを公道仕様に!
IMPREZA WRC 98 "R30WRC"

 インプレッサの主戦場であったWRCは、1997年に「WRカー」規定を発足。この規定によって、グレードに4WDターボモデルがなく、FFコンパクトカーが多い欧州車も、4WDターボ化してWRCに参戦できるようになりました。SUBARUもこの規定を利用したWRカーを開発、「リトナ」と呼ばれる前輪駆動&ノンターボ2ドアモデルをベースにした「IMPREZA WRC」を開発。2000年まで改良を重ねながらトップカテゴリーで活躍していました。

 「R30WRC」というナンバーが装着されたこの車体は、1998年のラリー・ニュージーランドに参戦し、その後ヨーロッパ各国のラリーに出場していました。現オーナーが、公道走行可能な状態に改造・修復して乗っています。

レア中のレアなインプレッサ
22B STi Verison

イベント主催で、初代インプレッサの生みの親である手島氏の愛車

 先に紹介したIMPREZA WRCが1997年にWRCで三連覇したことで、翌年3月にWRカーを忠実に再現したこの「22B STi Version」が400台限定、500万円で販売されました。カタログモデルより200万円高にもかかわらず瞬く間に完売してしまいました。

 WRカーをイメージした外観だけではなく、エンジンも2.2Lに排気量アップしたことで低中速トルクを改善しています。発売から22年経過した現在では、SUBARUを象徴するヘリテージカーとして国内外で高額にて取引されています。

たった1台のデモカー
22R

 「Flat R Sports」というチューニングショップが2008年に製作したコンプリートカーです。2ドアモデルの「WRX type R STi」をベースに、22Bと同じく排気量を2.2L化したエンジン(ショップオリジナルのクランク&カムなどでチューニング)とワイドボディー、ポルシェ911GT3カップのブレーキシステムを移植したモデルです。注目を集めましたが、残念ながらこのデモカー1台が作られただけでした。

アウトドア向けのインプレッサ
グラベルEX

 WRCの影響もあり、影に隠れがちなスポーツワゴン(GF8型)ですが、アウトドア用途を狙った特別仕様車があったことをご存知でしょうか? それがこの「グラベルEX」というクロスオーバーモデルです。

 スポーツワゴン WRXをベースに最低地上高を185mmに上げ、フロントにアニマルバー、リアにスペアタイヤキャリアを装備しています。動力系はWRXそのままなので、速さとより高い走破性を備えた1台でした。現在のSUBARUの主力モデルである「SUBARU XV」、「フォレスター」のご先祖様といえます。

初代最後の限定車
S201 STi Version

 1992年に発売を開始した初代インプレッサは、2000年に生産終了しました。その生産終了の直前に300台限定で販売したのがこの「S201」です。限定とはいえメーカー純正みえない派手な外観が目を引きます。

 1999年の東京モーターショーで「Electra ONE」という参考出品車として出展。翌年のカスタムカーショー・東京オートサロンで市販に向けたブラッシュアップがなされ、同年4月に「S201 STi Version」として発売されました。搭載されているのは名機と呼ばれるエンジン・EJ20型。ベースモデルからコンピューターと吸排気系のチューニングで20馬力アップの300馬力となり、足回りも車高調整式に変更されるなど、より走りを意識した1台となっています。

タイムアタックのツクバSPL
アウトストラーダ インプレッサWRC2018

カーボン製のサイドミラーは、実際にWRCワークスカーで使われていた貴重なもの。ボディーキットのデザインは、GC8型最終のWRカーである「インプレッサ WRC2000」

 このインプレッサは、タイムアタック向けに作り込まれたチューンドカーです。真紅のボディーはWRカースタイルのワイドボディーキットが装着され、ノーマルより大幅に太いタイヤを装着します。徹底的にチューニングされた2.2Lボクサーエンジンの、580馬力というパワーを確実にアスファルトに伝えられるようになったことで、タイムアタックの聖地である筑波サーキットを58秒台で周回する韋駄天っぷりを発揮しています。

第2世代インプレッサであるGDB型のエンジンブロックをベースに、2.6L用のクランクシャフト、ワンオフピストン、HKS製のGT3037Sタービンが装着されている。ミッションもGDB型の6速に換装されている

ヘリテイジカーとしてメーカーにも知ってほしい

一番手前の黒のインプレッサが筆者の愛車。この並びの共通点は……

S201やGC8後期モデルにオプション設定された、ダブルウィングスポイラー装着車の集まり。このウィングは富士重工の航空部門が空力を追求したもの

 既に発売から30年近く経過している初代インプレッサですが、モータースポーツ・漫画・ゲームの影響もあり、10~20代のオーナーが増えつつあります。また、既存のオーナーもより長く維持しようと努力をしています。しかしその一方で、メーカー純正部品の入手が困難になりつつあるのも事実です。

スポーツワゴンだけの並び。楽しみ方は十人十色!

 これだけ人気のある車種なので、サードパーティ製のパーツは現在も入手しやすいのですが、やはり純正部品が維持するのに最適なのは確かです。

 トヨタや日産では、同年代の人気車種の純正部品の復刻生産を始めつつあります。もちろん新しいクルマも素晴らしく魅力的なのですが、一方でこういった名車を長く大事に乗り続ける人たちに向けたビジネスもあるということを、SNSやメディアを通じてメーカーに伝わってほしいですね。

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