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LeapMind、超低消費電力AI推論アクセラレータIP「Efficiera」を商用版として正式提供開始

PR TIMES

LeapMind株式会社
世界初の極小量子化技術を実用化したハードウェアとソフトウェアで、エッジAIの新しいスタンダードを目指す

AI(Artificial Intelligence、人工知能)の要素技術であるディープラーニング技術を活用する企業に向けたソリューションを提供するLeapMind株式会社(所在地:東京都渋谷区、代表取締役CEO:松田 総一、読み方:リープマインド、以下LeapMind)は、様々なエッジデバイスへディープラーニング機能の組込みを実現する超低消費電力AI推論アクセラレータIP「Efficiera(読み方:エフィシエラ)」を、商用版として正式に提供開始したことをお知らせします。



■「Efficiera」商用版の概要
「Efficiera」は、CNN(*1)の推論演算処理に特化した超低消費電力AI推論アクセラレータIPです。建設機械などの産業機器、監視カメラ、放送機器をはじめ、様々なエッジデバイスへディープラーニング機能を組み込むことができます。
EfficieraはASICでもFPGAでも使用できるようなRTLとして記述されていますが、今回のリリース時点ではFPGA回路に適した半導体IP設計となっております。
同時に、極小量子化技術(*2)を活用し、Efficieraに最適化した物体検出ができる学習済みモデルも提供します。組み合わせてお使いいただくことで、Efficieraの性能を最大限に活用することができます。
提供物および利用イメージ
■Efficieraの特長
150社を超える企業との機械学習プロジェクトの共創実績から得た知見や「極小量子化技術」をはじめとした研究開発をもとに、LeapMindは「Efficiera」を開発しました。下記4点の特長があります。

省電力:データを表現するためのビット数を最小化することで、データの移動とコンボリューション演算に要する電力を削減します。
高性能:演算ロジックの最小化により演算に必要なクロックサイクル数も削減でき、面積・周波数あたりの演算性能を向上させます。
省面積:演算ビット数を最小化することにより、演算器1個あたりの回路面積とSRAMサイズを最小化します。
性能拡張性:回路構成の選択により演算性能を調整できるため、お客様の実施したいタスクに合わせて、コンフィギュレーションを最適化し、Efficieraの性能をあげることが可能です。

Efficieraの特長を引き出すために、以下のソフトウェアおよび機能を合わせて用意しています。


最適化した学習済みモデル

Efficieraに最適化した学習済みモデルを提供します。


ファインチューニング

機械学習の手法の一つである、既存のモデルの一部を再利用して新しいモデルを構築する「ファインチューニング」をお客様側で実施いただけるツールも提供します。
学習済みモデルとファインチューニングツールを利用いただくことによって、お客様はゼロから学習モデルを作成する手間なく、比較的少ないデータ数で用途に合わせた学習モデルの構築が可能です。




■FPGAにおける「Efficiera」の利点

小型FPGAへの実装が可能
Efficieraは省面積であるため、お客様は小型FPGAへ実装することができます。最小構成の場合、110K LEsのインテルの Cyclone(R) V SoCの約1/3のALMリソースで実装でき、リソースの許す限り性能を2倍、4倍に引き上げることができます。
125MHz動作時のリソース使用量と理論性能は以下となります。
リソース使用量と理論性能

ハードウェア設計の変更無くAI機能を追加可能
IP自体が小さいため、CPU、画像入力回路と同一SoC FPGAデバイス上にEfficieraを集積することが可能となり、AI機能搭載製品のBoM(Bill Of Materials)コスト削減に貢献します。
応用例として、既存FPGAデザインの空き領域を使ってEfficieraを搭載していただくことで、部品点数を変更することなくAI機能を追加することができます。

量産ボードへの対応による開発期間の短縮
LeapMindはEfficiera FPGAパートナープログラムを推進しており、プログラム活動の一環としてEfficieraを様々な量産ボードに対応する予定です。この対応により、ディープラーニング機能を搭載した量産製品の開発を短縮し、お客様の組込みAI製品の量産化を促進させます。以下は現在対応しているハードウェアプラットフォームです。

「KEIm-CVSoC」:近藤電子工業社が開発する量産対応可能なインテル(R) FPGA搭載SoMです。技術検討や製品試作段階から量産まで幅広い用途でご利用いただけます。
「So-Oneモジュール」:PALTEK社が開発する世界最小のMPSoC搭載モジュールです。エッジコンピューティングが可能なザイリンクス社のMPSoCを搭載しています。


■本リリースにあたり事業部長山崎よりコメント
「今回、商用版として提供する「Efficiera」は、「人々の生活を豊かに、便利にする」をディープラーニングで実現するために、これまでの知見をフルに活かし開発してきました。
「Efficiera」は暮らしの様々なシーンをアップデートする可能性を秘めたプロダクトであると自負しています。例えば、小さなお子さんの安全を保護する、高齢者の方の安心な暮らしを支えることから社会基盤として人間が立ち入れないところをモニタリングするところまで、生活を豊かにしていく。そんな場面で「Efficiera」が活用されるために、スマホやラップトップよりも小さなデバイス、組込み機械をAI化するスタンダードを目指していきます。
スタンダードを目指すために、これまで手がけた数多くのプロジェクトから課題を抽出し、解決策を模索、実行してきました。その一つが極小量子化です。小さなデバイスに組み込むためには、小さな資源で動くIPが今後必要になることを見据え、それを実現するための極小量子化という技術を確立してまいりました。

また、実用化に至らない原因として、ハードウェアである組込みの機器と、ソフトウェアである学習済みモデルの2つの知見を持つ企業が少ないことがあげられます。LeapMindは、その両面からアプローチすることで、実用化を加速させられる稀有な存在であると確信しています。
今後も低消費電力で適切なパフォーマンスが出るIPをブラッシュアップしていき、ソフトウェアについては一般的なフレームワークをサポートしていくことで、極小量子化の技術を活用したものをお客様にもご利用いただけるようにしていきたいと思っております。FPGAサプライヤー、OSサポート、AI開発フローにおけるパートナーと共に、ビジネスを確かなものとし、生活を豊かにしていく活動をさらに加速させてきます。」

詳しいインタビューは、<https://leapmind.io/news/content/6458/> をご覧ください。

*1) CNN:Convolution Neural Network(畳み込みニューラルネットワーク)の略称です。ディープラーニングの一種で画像や動画の認識に広く使われています。
*2) 極小量子化技術:ディープラーニングモデルの軽量化のためにLeapMindが開発した技術です。一般的に、32, 16ビットのような広いビット幅の数値表現を利用すると推論結果の精度が向上する一方で、演算回路規模(面積)が大きくなり、処理時間や消費電力が増大します。逆に、ビット幅を狭めると回路規模は小さくなり処理時間や消費電力は減少するものの、精度は低下することが知られており、省電力化・省面積化する際の課題となっていました。LeapMindは、極小量子化技術を開発し、精度を維持しながら、Weight(重み係数)を1ビット、Activation(中間データ)を2ビットといった極端な量子化を可能とし、大幅なモデルサイズの軽量化と高速化、および電力効率と面積効率の最大化を実現しました。

*Intel、インテル、Intel ロゴ、Intel Inside ロゴ、その他の名称およびロゴは、アメリカ合衆国および/ またはその他の国におけるIntel Corporation またはその子会社の商標です。
* 文中の製品名は、LeapMind株式会社の商標または登録商標です。
* プレスリリース記載の情報は発表日現在の情報です。

■LeapMind株式会社について
「機械学習を使った新たなデバイスを、あまねく世に広める」を企業理念に2012年創業しました。累計調達額は49.9億円に達しています。ディープラーニングをコンパクト化する極小量子化技術に強みを持ち、自動車産業など製造業中心に150社を超える実績を保有しています。ソフトウェアとハードウェア両面の開発ノウハウを元に、半導体IP「Efficiera」も開発しています。

本社:〒150-0044 東京都渋谷区円山町28-1 渋谷道玄坂スカイビル 5F(受付:3F)
代表者:代表取締役CEO 松田 総一
設立:2012年12月
URL:https://leapmind.io