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年次イベント「Slack Frontiers 2020」開幕、「SlackコネクトDM」などの新機能も発表

「イベントドリブンな企業の実現を」Slack CEOが語ったビジョン

2020年10月09日 07時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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“脱・電子メール”社外取引先とのコミュニケーション機能をさらに強化

 コミュニケーション側では、6月に発表した「Slackコネクト」の強化がメインとなる。

 Slackコネクトは取引先、提携先、顧客など、社外の組織やメンバーとSlackチャンネルを共有できる機能だ。6月の発表後、8月にはEKM対応、認証済みアカウントの導入など、急ピッチで機能強化を進めている。フランク氏によると、発表後3カ月で利用企業数は5万2000社を数え、出足は好調だという。

 今回のFrontiersでは、新たに「SlackコネクトDM」が発表された。これは、Slackコネクトを介してつながっている企業のユーザー間でダイレクトメッセージがやり取りできる機能だ。フランク氏は、これは電子メールをやり取りするよりもセキュアであることを強調する。

 「SlackコネクトDMは、基盤部分からセキュリティに配慮して構築している。Slackコネクトはビジネスを目的とした場所であり、スパムやフィッシングが届くことはないし、セールスや採用勧誘の連絡が入る場所でもない」(フランク氏)

「SlackコネクトDM」は、Slackコネクトでつながっている組織のメンバー間でダイレクトメッセージがやり取りできる機能

 基調講演に登場した最高製品責任者のタマル・イェホシュア氏も、「Slackを導入した企業から、電子メールではエンゲージを構築、維持することはできないという声を聞く。今日のリモートワーク環境では、電子メールは正しいツールではない」と語った。調査では、80%以上が「Slackはチームの結びつきとコミュニケーションに役立っている」と回答、共通のタスクでは電子メールよりSlackを好む傾向も明らかになったという。

Slack最高製品責任者のタマル・イェホシュア(Tamar Yehoshua)氏

 Slackコネクトではまた、認証済みアカウント機能をさらに強化し、相手の組織自体が信頼できることを示す「認証済みオーガナイゼーション機能」も2021年に実現することを発表した。この信頼済みオーガナイゼーションと共有するチャンネルのリクエストを、管理者が事前承認できる機能(承認済み共有機能)も提供予定だという。

リモートワークによる「所属意識の低下」を防ぐ新機能も実験中

 テキストだけでなく、短い動画や音声を使ったコミュニケーションについても実験中であることを明かした。ビデオ会議や音声通話のサービスはすでに一般的であり、Slack自身も備えているが、実験中のこの機能の特徴は「リアルタイムではない(非同期)」という点だ。

 バターフィールド氏は、リアルタイム(同期)前提のビデオ会議による“ビデオ会議疲れ”に言及しながら、「全員出席のビデオ会議を開く代わりに、自分の近況を録画して投稿し、ほかのメンバーはそれを都合の良い時間に見ることができる。これにより、メンバーの時間を解放できる」とメリットを説明した。

 また音声で実験中の機能は、オンラインで対応可能な状態の人がアドホックに通話(会話)ができるというもの。なお、これらの動画/音声機能はコンセプトとして紹介されたものであり、将来的に提供されるかどうか、また提供予定時期などは未定だ。

メンバーが短い動画でメッセージを投稿できる機能のコンセプトを紹介した

 Slackでは先月、新しい働き方を模索する「Future Forum」を立ち上げている。そこでナレッジワーカーに行ったリモートワークに関する調査「Remote Employee Experience Index」からは、リモートワークによってワークライフバランスが改善するなどのプラス面と同時に、「会社に対する所属意識の低下」というマイナス面が明らかになったという。

 この調査結果から、Slackでは「デジタルツールを通じて所属意識を維持することに取り組む」(フランク氏)ことを考えており、上述した動画や音声の機能は Frank氏は「デジタルでどうやって所属意識を維持するかに取り組んでいく」と述べており、上記の動画や音声はその一環となる。

 このほかにも今回のFrontiersでは、Slackアプリを組織全体のすべてのワークスペースに一括展開する「オーガナイゼーション全体へのアプリデプロイ機能」、App Directoryで提供しているアプリがエンタープライズ対応であることを示す有償の認証プログラム「エンタープライズ対応アプリの認証」も発表された(ともに年内提供開始)。

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