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年次イベント「Slack Frontiers 2020」開幕、「SlackコネクトDM」などの新機能も発表

「イベントドリブンな企業の実現を」Slack CEOが語ったビジョン

2020年10月09日 07時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 Slack Technologiesが2020年10月8日と9日、年次イベント「Slack Frontiers 2020」をオンラインで開催中だ。8日のオープニング基調講演に登場した共同創業者兼CEOのスチュワート・バターフィールド氏は、「Slackが人間と機械の間の生産性ギャップを埋める」として今後のビジョンを語った。また、Slackの新機能も多数発表されている。

Slack 共同創業者兼CEOのスチュワート・バターフィールド(Stewart Butterfield)氏

企業内で生じるさまざまなイベントをワークフローのトリガーに

 Slackは、人と人とのやりとりをスムーズにするチャンネルベースのメッセージングプラットフォームとして始まり、メッセージ/コミュニケーションをベースとした生産性の改善へとフォーカスを拡大してきた。そして、今後の方向性は「イベント・ドリブン・エンタープライズ」の実現だという。

 バターフィールド氏は、近年では経費精算アプリでレシートの写真を撮るだけで、経費申請が実行できるようになったことを例に挙げた。これまで多数のステップをこなさなければならなかった業務プロセスも、そのステップを一足跳びにするようなことはできると述べる。「これまでの(業務の)ステップを短縮するという変化は、すでに起きている」(バターフィールド氏)。

 Slackがワークフロー機能を通じて解決しようとする問題は、ユーザーが特定のタスクを作業するために使う複数のソフトウェア間での連携だ。「計算や保存など、一部の作業は人間よりもコンピューターのほうが優れており、ここをソフトウェアが担っている」(バターフィールド氏)。Slackでは昨年のFrontiersにおいて、ソフトウェア間の連携ツール「ワークフロービルダー」を発表している。

 こうしたワークフローを「機械と機械の協調」とすると、その対局には「人と人の会話」がある。Slackではこれまで、ビジネスコラボレーションツールとして人間どうしのコミュニケーションを支援してきたが、今後はさらに進化した「人間と機械の間をつなぐプラットフォーム」を目指すという。

Slackがハブとなり、人間側で起きるイベント、システム側で起きるイベントをつなぐ

 ワークフローで効率化できる業務は幅広い。人事採用の業務プロセスを例にとると、候補者のエントリーから社内検討、採用決定、入社準備、手続きなど、採用担当者と候補者/採用予定者だけでなく人事担当、総務担当、IT担当と幅広い関係者がかかわることになる。ここでドキュメントストレージ、電子署名、HRシステムといった複数のシステムを連携させることで、そうしたプロセスを簡素化することが考えられる。

 「企業内ではイベントがあちこちで発生している。そうしたイベントと、ツールやシステムを結びつける軽量かつ低コストの“システム統合ファブリック”を構築するチャンスはある」(バターフィールド氏)

 ワークフロービルダーは、GUIを通じてノンコーディングでワークフローを作成し、業務プロセスの自動化を図ることができる。筆者の個別取材に応じたSlack エンタープライズプロダクト部門責任者のアイラン・フランク氏によると、Slack上ではすでに50万以上のワークフローが構築されているという。その用途は人事、ITヘルプデスクなど多岐にわたり、ほとんどは「開発者ではないユーザーが構築している」という。

Slack エンタープライズプロダクト部門責任者のアイラン・フランク(Ilan Frank)氏

 今回は「アプリからのワークフロービルダーステップ機能」として、Slack以外のシステムと連携するワークフローを構築できるようになった。たとえば「DocuSign」を用いた電子署名を依頼するワークフロー、ITインシデント管理の「PagerDuty」との連携によるインシデントケース作成などを例に挙げている。

 外部システムとの連携では「ソケットモード」も発表された。これは、ファイアウォール外のシステムからWebSockets接続経由でイベントを受信し、ファイアウォール内のアプリケーションとの連携を進めるもの。「たとえば、オンプレミスにあるSAPやOracleとも安全に接続できる」(フランク氏)。

ソケットモードの概要

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