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トンネル点検を効率化・高精度化するAIシステムを開発!

PR TIMES

応用地質株式会社
応用地質株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:成田 賢)は、トンネルの点検業務をAI(人工知能)により効率化し、インフラメンテナンスの担い手確保や技術の品質維持・向上に貢献する「トンネルAIシステム」を開発しましたのでお知らせいたします。



開発背景

 国土交通省によると、道路トンネルは全国に約1万1千箇所存在し、2033 年には、その内の42%で建設後 50 年以上が経過するとされています。道路トンネルは、道路法に基づく国土交通省令により、国や地方公共団体など道路管理者が 5 年に 1 回の近接目視による点検を実施して健全性の診断を行うことが義務付けられています。さらに、適正な点検が行われるため、点検者には必要十分な知識と技能を有することも明記されています。しかしながら、市町村など自治体では、少子高齢化等に伴うメンテナンス事業の担い手不足等により、点検にかかる負担は年々高まっているのが現状です。
 弊社では、このような状況を踏まえ、トンネル近接点検の生産性向上と担い手の確保、技術の維持に貢献するため、トンネル覆工コンクリートの健全度を AI により自動判定するシステムを開発・運用しておりますが(2019年7月11日弊社プレスリリース)、この度、このトンネル近接目視に関わる更なる効率化と精度向上を可能とする新たなAIシステムの開発に成功しました。


従来のトンネル点検手法の非効率

 従来のトンネル点検では、高所作業車を用いて覆工コンクリートの異常を近接目視や打音検査によって確認し、異常箇所をマーキングした上、手書きのスケッチによって記録するやり方が一般的に行われています。このような作業は、トンネル全線に渡って行われるため人海戦術かつ多大な時間を要するほか、作業員の技能の差や見落とし、記載漏れなど人的ミスが生じやすい作業であったことから、効率化や生産性の向上が課題でした。
 また、近年ではこのスケッチ作業をデジタルカメラの画像により効率化する手法も開発されておりますが、ひび割れの抽出漏れや誤検出など、必ずしも十分な精度が確保されない現状もありました。


開発システムの概要


トンネルAIシステムの概要。AIで自動化することで、トレース作業やチェックにかかる手間が省力化。抽出漏れなどミスもなくなり、高精度化。

また、医療用MRIにも使われている画像解析技術「超解像/圧縮センシング技術」を応用することにより、スキャナー画像の端部に発生する陰影を補正し、鮮明な画像を取得することで、3Dレーザースキャナによる画像解析で見落とされがちな画像の欠損部も見落とすことなく解析することが可能となりました。




今後の展望

今回の開発により、トンネル近接目視にかかる現地調査から解析までの一連作業をAIで効率化することに成功しました。弊社では、これらの技術を自社での点検サービスに活用するだけでなく、将来的には他企業にも広く提供していくことで、地域のインフラメンテナンスの担い手企業の育成にも貢献していく所存です。

以上