■モトローラ日本展開「3つの軸」
まず、1つ目の軸は従来の路線を強化するということだ。モトローラの日本展開ではコストパフォーマンスの良い製品を揃えてきた。
8月下旬には、従来よりもさらに手に取りやすい価格帯の「moto g8 power lite」「moto e6s」を発売したばかりだ。これらの製品はケータイからスマホに初めて乗り換えるユーザーを意識した価格帯だ。SNSやウェブ閲覧など基本的な使い勝手は申し分なく、カメラも2眼で写真を楽しめるようにもなっている。
日本市場におけるモトローラ製品は、売り場では品質の良さに定評があるという。故障が少なく、販売スタッフが売りやすいというわけだ。
ただ、品質に対しては評価が高いものの、製品がマジメすぎて、面白味が欠けるというのが弱点になりつつある。
そこで松原社長は「ユーザーはValue for Price(コストパフォーマンス)を求めているが、それだけではなく、ワクワク感も欲している。海外市場では攻めた、とがった製品を出している。5Gではちょっと面白いと思える個性的な商品を出していきたい」と語る。個性的な商品展開が2つ目の軸となるようだが、まさに冒頭のrazr 5Gはワクワク感のあるとがった製品と言えるだろう。
では、razr 5Gの日本上陸はありうるのか。

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