至高のインスタントカメラを産み出した、米国企業であるポラロイド社の名前と名声は同社が倒産してしまった今も健在だ。ポラロイドを率いてきた天才エドウィン・ハーバート・ランド博士は、筆者の尊敬する偉人のひとりでもある。
現在は、設立して約10年ほど経過したオランダ企業インポッシブルプロジェクトが、細々とインスタントカメラやフィルムを製造提供している。つい先ごろ、ポラロイドの血を引くインスタントカメラ「Polaroid Now」を発表した。フィルムの値段が高くまだまだ先行き不安は拭えないが、往年のポラロイドファンには少しうれしいニュースだ。
一方、ポラロイドがけつまずいていた間に大きく市場を席巻したのは、チェキで一躍有名になった富士フイルムだ。すでに世界中の大小のカメラメーカーの多くが、Instax(インスタックス)"チェキ" フィルムを利用するインスタントカメラやデジタルカメラを販売している。
本日ご紹介するインスタントカメラである「escura」(エスキューラ)も、そのひとつだ。元々は海外のクラウドファンディングで産声を上げたescuraだが、プロジェクト終了後は一般商品として今も変わらずネットを中心に販売されている。
同じようにチェキフィルムを使用するカメラの中でも、escuraは、ライカのゾフォートやキヤノンのInsatax mini LiPlayと同じInstax miniと呼ばれる外形86×54mm、画面サイズ62×46mmの一番小さなタイプを使用する。フレーム(額縁)部分のプリプリント処理によるバリエーションも豊富だ。
escuraの本体以外の同梱物は、球形のファインダーとレンズカバー、取説ときわめてシンプルだ。他のチェキフィルムコンパチブルカメラと違うescuraの最大の特徴は、完璧なメカニカルアナログカメラだという点だろう。本体にバッテリーの搭載はなく、チェキ系カメラには絶対に必要な撮影後のフィルムの排出もメカニカルな機構を採用している100%人力カメラであることだ。
同様の人力フィルム排出機能を搭載したチェキカメラでは、後発だがタカラトミーから最近発売されたPixtoss(ピックトス)の方が国内では有名かもしれない。Pixtossはリトラクタブルなハンドル手回しで撮影後のフィルムを排出、今回のescuraは小さなノブを前方方向に回して撮影後のフィルムを排出するという基本は同じ方式だ。
似た機能をもったPixtossとescuraだが、そのデザインアプローチは大きく異なる。機能優先でどちらかと言えばちょっと素っ気ない外観デザインのPixtossに比べて、escuraはそのユニークな60年代風の外観デザインが楽しくアピール度も高い。
Pixtossもホワイト、ブルー、ピンクと比較的カラフルだが、escuraはその比ではない。筆者の衝動買いした最大の理由もこの60年代風の外観デザインとオレンジとイエローというポップなカラーリングが最大の理由だった。

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