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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第567回

発表されたLakefieldはカスタマイズ版Windows10向け インテル CPUロードマップ

2020年06月15日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII

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 今週はAIプロセッサーの話はお休みいただき、Lakefieldを取り上げたい。Lakefieldに関してはジサトライッペイ氏による第一報がすでに上がっているのでご存じの方も多いかと思う。

 この連載でも538回でLakefieldのSmall core側であるTremontの内部解説をしているが、今回は発表でわかったこととまだわからないことをまとめて紹介したい。

Lakefield

ダイサイズは82mm2

 通常インテルは製品をリリースするとそのダイ写真なりウェハーイメージなりを紹介してくれるのだが、現時点でLakefieldに関しては公式(News Roomページ)では未公開である。

 ただ本国では電話会議の形でプレスブリーフィングがあったらしく、その際に追加でダイ写真が紹介されたというAndreas Schilling氏のツイートがある(同氏はhttps://www.hardwareluxx.de/のエディターの1人)。

 実はこれ、同じものを入手できないかインテルに掛け合っているのだが今のところ返事がない。なのでいまいち真偽のほどは不明ではある。ただ実は今年5月、imgurにLakefieldのダイ写真が上がっており、これのタイトルが“Intel LKF 82mm2”となっている。

 この2枚を試しに重ねた結果が下の画像で、見事に一致しており、おそらくはどちらも正しくLakefieldのものと思われる。

左上と右下がImgurの、右上と左下がSchilling氏のもの

 一応このどちらもがLakefieldのダイ写真だと仮定した場合、ダイサイズは82mm2というimgurの数字がわりと信憑性をもつものになる。

 仮にこの82mm2が正しいとして内部解析をしてみたい。下の画像はimgurのイメージに、想定されるレイアウトを重ねたものである。

左上のブロックと左下ブロック、どちらがLLCかはかなり悩んだのだが、おそらくダイ左端中央にあるのがPCI ExpressのPHYで、となると左上はPCI ExpressのRoot Complexその他と考えられるため、左下がLLCと思われる

 全体の4割近くをGen11 GPUが占め、中央にSunny Cove×1(下側)とTremont×4(上側)が並び、左側にUncoreの4MB LLCその他が集積される、わりと整然とした構成である。この画像からそれぞれのエリアサイズを推定すると、以下の表のようになる。

Lakefieldのエリアサイズ
Sunny Cove 4.8mm2
Tremont(1コア) 0.93mm2

 Sunny Coveのエリアサイズは、Ice Lakeでは6.9mm2と伝えられているが、これはLLCのSliceを混みにした数字で、LLCなしでは4.7mm2程度とされるので、ほぼ今回の推定と一致することになる。

 そしてここから今回Tremontコアのエリアサイズが初めてわかったわけだが、1つあたり1mm2未満、4コア合計でも3.7mm2ほどでしかない。

 もっとも実際には2つのTremontコアのクラスターの間にインターコネクトが入っており、4コア全体でのエリアサイズで言えば5mm2をやや超えるほどになる。

 とはいえ、4コアのTremontと1コアのSunny Coveがほぼ同等のエリアサイズになるわけだ。性能/エリアサイズ比では悪くない結果だと思う。

 ちなみにLakefield自身は下の画像のように、Compute DieとBase DieをFoverosで結合し、さらにDRAMをPOP(Package on Package)の形で搭載する構造なので、別にBase Dieが必要になる。こちらのダイサイズは不明だが、おそらく同等もしくはやや大きい程度に抑えられていると思われる。

Lakefieldの構造。これは昨年5月に開催されたInvestor Meetingの際の公開資料

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