Blackberry Key2もTitanも最大のウリはQWERTYキーボードを使ったパソコンライクな入力効率の向上だ。筆者は同じアプリ「Jota」エディターと同じかな漢字変換「AquaMozc for Titan」を使っている
日本語をそれなりのスピードで入力したい
設定画面でスクロールアシストをオンにすることで、Titanの物理的なキーボード部分全体をタッチパッドのように上下左右に指先でなぞることで画面スクロールを簡単にしてくれる。このスクロールアシスト機能は筆者もネットサーフィン時にはよく使っている便利な機能だが、Titanでメールアプリやエディターアプリを起動して文書入力をしようと考えたときに、誤って触れてしまうとカーソルポイントが移動してしまうというマイナス要素が出てしまうことがある。
せっかくクリック感と理想的な両親指入力に適したキーピッチが実現されたTitanなので、スマホではなかなか気持ち良くできない文書作成は、ぜひやってみたい作業だ。もちろん原稿すべてをTitanで入力しようとは思わないが、思いついたけどすぐに忘れてしまいそうなアイデアや、原稿のヒントなどは速攻で入力してしまいたい。
Titanに標準搭載されている日本語入力アプリである「Kikaキーボード」も、慣れればなんとか使えるアプリではあるが、日本語をそれなりのスピードで入力しようと考えると、少し心もとない。ネット上のTitan先人の評判を調べて、Titan用の「AquaMozc for Titan」を導入することに決めた。
AquaMozc for Titanは、所定のテストを終えて今年になって従来のベータ版から正規のバージョンが登場。速攻でGoogle Playで1650円で購入した。Google Playのアプリとしてはかなり高価な部類に入ると思うが、その機能は素晴らしく、もともとかなり特殊な配列のTitanキーボード(aw9523-key)を慣れ親しんだパソコンキーのような入力環境に変えてくれる。
カナ漢字変換では文字入力行のすぐ下に複数の候補を表示してくれ、スクリーンの最下段には1段だけの仮想キーボードが表示される。この仮想1段キー列がその下に位置する3段の物理キーボードだけでは手間のかかる日本語入力の効率を大きく向上してくれる。
AquaMozc for Titanが実現する赤枠の「仮想1段キー」による日本語の効果的入力は素晴らしい。ShiftキーはCtrlキーとなり、そのほかのキーとのコンビネーションでさまざまな機能を提供してくれる
赤枠の仮想1段キーには、日本語入力では登場回数の多い、読点、句点、音引き、や、キー入力の効率性を高めるシフト、左右カーソルキー、日英切り替えキー、仮想キーボード表示の全部で8個のキーが並ぶ。また物理3段キーの左上の「シフトキー」は「Ctrlキー」となり、N、M、J、Bキーとのコンビネーションでカーソル左右上下移動を可能にする。キートップ表示がシフトなのにCtrlキーになることは一見ややこしい感じもするが、「慣れに勝るUIなし」で不器用な筆者もいまは慣れて便利に使えている。
またCtrlキーを使ってCtrl+X(カット)、Ctrl+C(コピー)、Ctrl+V(ペースト)、Ctrl+A(すべて選択)、Ctrl+Z(元に戻す)などの便利な環境も実現してくれる。日英モードの切替はAltキーとスペースの組み合わせだ。少しだけ慣れることで、いまではAquaMozc for Titanを使って実際に800文字〜1000文字くらいの文章なら苦労なく普通に入力することができるようになった。
ひとつだけ残念なのは、Titanを両手で持って両親指入力をするときに、うっかりするとこの鈍器のような約300gの本体を落としてしまいそうになることだ。重い分だけ硬い地面に落としたりしたら被害も大きそうだ。対策をいろいろ検討して、筆者はワイヤレス充電を諦めて伸縮するスマホグリップの「POPSOCKETS」を購入、何度か張り直して最適の位置をやっと決めたところだ。しばらくはTitanとJota+エディター、AquaMozc for Titan、POPSOCKETSで原稿全部を書くことにチャレンジしてみたい。

今回の衝動買い
アイテム:Unihertz Titan
T教授
日本IBM社でThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。

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