武漢が使えないと供給不足のおそれもある:
アップル廉価版iPhone、新型肺炎が不安要因に
2020年02月05日 09時00分更新
●2020年のビジネス全体に影響も
というのも、武漢は中国の南北交通の交点であり、要所となっています。製造業も盛んで、アップルのサプライヤーも存在しています。
機能停止している1100万人都市、武漢のサプライヤーについては代替手段を用意して調達しているとも答えていましたが、武漢外のサプライヤーへのインパクトはまだわかっていません。現に、1週間の臨時休暇が指示され人が集まらなければ、武漢以外の組み立てを担当する工場の稼働も難しい状況ではないかと考えられます。
そこで問題となるのが、春にも予測される廉価版iPhoneについてです。2020年第1四半期(Appleの決算期では2020年第2四半期)に、iPhone 8をベースとしたiPhone SEの後継にあたるモデルを登場させるという予測が高まっていますが、2020年2月に製造を開始する計画が予定通り行なわれるのか、がポイントです。
実際、iPhoneの組み立ては中国が主ですが、ブラジルでも行なわれています。さらに、攻めあぐんでいるインド市場で、廉価版iPhoneの組み立てを開始するとの見方もあり、中国組み立て分がなくなることによる供給不足はあったとしても、製品のリリース自体は行なわれるかもしれません。
ただし、アップルにとっては思うように売り上げを伸ばせない要因であることは変わりありません。実際、2020年第1四半期決算では、絶好調だったApple Watch Series 3とAirPods Proは、供給不足が売り上げを抑制したと指摘しています。
Apple Watch Series 3については2020年第2四半期に改善するとのことでしたが、中国の経済がストップしている現状を考えると、これも遅れてしまうかもしれません。AirPods Proについては、そもそも品薄状態改善の見通しが立たないと指摘しており、中国以外のアジア諸国での組み立てもミックスされるようになっているはずですが、サプライヤーの問題もあり、問題は長引きそうです。
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