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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第79回

武漢が使えないと供給不足のおそれもある:

アップル廉価版iPhone、新型肺炎が不安要因に

2020年02月05日 09時00分更新

文● 松村太郎 @taromatsumura 編集● ASCII

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●好決算もさっそく懸念材料が

 アップルは新型肺炎に関連し、当該地域で活動しているグループへの寄付を表明していますが、実際のビジネスにも影響が出始めています。

 中国にある42の直営店は、少なくとも2月9日まで休業としています。アップルの中国における全ての売り上げが直営店からのものではありませんが、その他の店舗も営業していないことを考えると、1週間の休業は決算資料などから計算すると、8億5000万ドルの売り上げが消えることになります。もしこの休業が長引いて1ヵ月かかるとなると、およそ34億ドルの売上高がなくなり、アップルの2020年第2四半期の業績を5%以上押し下げる計算となってしまいます。

 決算発表の電話会議で、新型肺炎について出された質問にTim Cook CEOが答えていますが、2020年第2四半期の売上高のガイダンスに630〜670億ドルの幅がある理由は、新型肺炎への懸念と不確実性を織り込んでいるため、としています。

 確かに、前述の試算のマイナス幅と一致してはいますが、多くの場合、こうした感染症の収束には6ヶ月かかるとみられること、中国以外への影響も考えられることから、このガイダンスを下回る可能性も見ておく必要があるかもしれません。

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