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ビッグデータの活用が社外ナビの利点! パイオニアが語る純正ナビとの違い

2019年12月25日 12時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) 撮影●栗原祥光

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サイバーナビをR8で体験する

 さて。実際にサイバーナビ「AVIC-CL910-DC」を搭載したアウディR8を試乗することにした。なお、サイバーナビは画面サイズが9インチ、8インチ、そして7インチで200ミリワイドと180ミリの4種類が用意されているが、機能面ではどれも一緒。車両に搭載できるサイズを選べばよい。

カロッツェリア「サイバーナビ」を搭載したアウディR8の車内

 このR8はカロッツェリアのカタログの表紙にも使われているモデルらしく、いわばカロッツェリアのイメージキャラクター。事実、この車両を全国各地のイベントに展示することもあるとのこと。よって、パイオニアが純正ナビを搭載するアウディR8にサイバーナビを搭載したのは、比較をするためではなく純粋にプロモーションをするためだ。しかし折角の機会なので、サイバーナビを触れつつ、個人的にはもっとも見やすいと思っているアウディのヴァーチャル・コクピットと簡単に見比べてみることにしよう。

 並列に比較できないのには理由がある。もともとアウディR8の車内に、社外ナビを搭載するスペースは皆無。もっとも最初からナビがついてくる車に、普通ナビを追加しようとは思わない。ましてスーパーカーだ。しかしパイオニアはエアコン操作部分をグローブボックスに移動させ、そこにナビを埋め込むという荒業を敢行!

ノーマルのアウディR8。見づらいが、センターコンソールに3個のつまみがある。それがエアコンの操作パネルだ

カロッツェリアのデモカーは、エアコン操作ツマミをグローブボックスに移設。その位置は奥にあるため操作性は二の次だ……

 カーナビのブラケットはカーボン製で、そのようなモノは世の中にないからワンオフで作るという気合の入れようで、パッと見た時は「元々ここにあったのかも」と思わせるデキだ。さすがイメージキャラクター。

 まずはルート選択から。アウディのバーチャル・コクピットはアームレスト近傍のジョグシャトルをクルクルしながら1文字づつ入力する。これはR8に限った入力で、他のアウディ車はこのジョグシャトルのほかタッチパネルディスプレーで文字入力、または音声入力で行先を設定する。

メーターパネルを見ながら行先を一文字づつ入力していく

センターコンソールに設けられたツマミを使って入力する

 一方、サイバーナビはスマホやタブレットではおなじみのフリック入力に対応。逆に言えばアウディに搭載するジョグシャトルを使うことはできない。ちなみに音量調整などのハンドルリモコンは、車種によってはサイバーナビでも利用可能だ。

サイバーナビはフリック入力に対応する

 ルート検索は、近場だったこともあり、どちらも同じ表示速度で同じルートを掲出した。これが遠距離であったり、行楽帰りの渋滞考慮などでどのような差が出てくるのか、というのは気になるところではある。今回そこまでの検証をする時間と用意がなかったため、後日改めてサイバーナビ搭載車と非搭載車を用意し、GWに行楽地から都内といったケースで検証できたらと思う。

サイバーナビでの詳細情報。この情報も音声でガイドする

 運転中の見やすさは、メーターパネルに表示されるアウディの圧勝であることに疑いの余地はない。しかし近隣に何があるのか、といった情報の見やすさではサイバーナビに分がある。運転中「次の交差点を右」という判断がしやすいのはバーチャル・コックピットなのだが、交差点で「どうやって行こうか」「この工事は何をしているのか」というのを確認する点ではサイバーナビは実にわかりやすい。ここら辺は長年ナビを作ってきた経験の差が活きているのだろう。

GPS電波が入りづらい場所では、道ではない場所に自車位置を表示する場合がある

 精度に関していえば、純正ナビでは位置がズレる場面があった。しかし、その状況でもサイバーナビはピタリと正しい位置を表示している。さらに地下に入ると、時折動く程度の純正ナビに対して、サイバーナビは常に動く。なるほどこれが高精度ジャイロの効果かと素直に感心した。もっともこういう機能が活きてくるのは、高層ビルに囲まれた五差路や、トンネル内でのジャンクションといったレアなケースだろうが、それでも便利なことにかわりはない。

まるで建物の中を走っているかのようなバーチャルコクピット

サイバーナビで地下を走行している様子。マーカーがきちんと動くから驚きだ

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