5段MTの楽しさに真価を見せたコペンGRスポーツ
コペンGRスポーツにはCVTモデルの他に5段マニュアルシフトの設定もあります。そんな5段マニュアルのコペンGRスポーツにはリミテッドスリップデフ(LSD)が標準で装着されます。
カーブなどでクルマが曲がるときに、駆動輪の左右で回転差をつけることでクルマを曲げやすくする装置を「デファレンシャルギヤ」(デフ)といいます。一般的なデフでは荷重がかからない側のタイヤに、より多くのトルクを伝えることで回転差を生み、クルマは曲がりやすくなりますが、反面として荷重がかかる側のタイヤ、つまりグリップしているタイヤにトルクが少なくなるために、カーブの立ち上がりで加速がしにくくなります。
LSDではカーブの立ち上がりで荷重がかかる側、つまりグリップしているタイヤにトルクを与えるためにデフの動きを制限し、これによりカーブの立ち上がりでの加速をスムーズに行ないます。
コペンGRスポーツでは、このLSDを「スーパーLSD」と呼んでいます。競技用のLSDでは、この動きのために低速で走っているとむしろ曲がりにくく乗りづらくなるのですが、スーパーLSDではその乗りづらさを完全に払しょくしています。普通に街乗りをしている状態ではスーパーLSDが装着されていることを気づかせません。
楽しすぎる5段MTのコペンGRスポーツ
この5段MTのコペンGRスポーツに乗って、試乗拠点のGR GARAGE東京蒲田から羽田方面へ第一京浜から環状八号線を通り、天空橋を渡って羽田空港へと向かいます。最近の軽自動車ではCVTモデルしか乗っていなかった筆者ですが、コペンGRスポーツの5段MTの発進はあまりにもスムーズで拍子抜けしてしまいました。
乗る前は軽自動車のターボエンジンですから低回転でのクラッチ操作に不安を持っていました。しかし、コペンGRスポーツは意外にも、といっては失礼ですが、2000回転付近のトルクが思っていたよりも太く、ラフにクラッチを繋いでもギクシャクすることはありません。この感触に個人差があることは否めませんが、MT車にある程度乗ったことがある方ならなんら躊躇することはないでしょう。
羽田空港の国際ターミナルから多摩川沿いに国内線ターミナルへ向かう道で、下り坂の中速コーナーから滑走路の下を潜るトンネルがあります。その中速コーナーを制限速度目いっぱいに3段目で進入し立ち上がりで加速してみると、スーパーLSDの効き目がはっきりとわかります。コーナーリング中に落ちた車速を復帰させるためにアクセルを踏み込むと、タメや躊躇のないダイレクトな加速感が味わえます。
また、その時のコーナーリング中の印象もダイレクトな手応えを感じ、狙ったラインをステアリングを切った分だけすんなりとトレースしていきます。軽オープンカーとは思えないキリッとした手応えです。
市街地走行でもこれだけダイレクト感を味わえる5段MTのコペンGRスポーツは、操っているという感覚に満ち、攻めた走りをしなくともつい顔がニヤついてしまうほどの楽しさです。運転する楽しさを味わうのに、これほど最適なクルマもないでしょう。
【まとめ】買う気がなくても試乗したほうがいい
今回試乗したCVTモデルのリキッドシルバーメタリックはGR GARAGE東京深川で借りましたが、全国のGR GARAGEかダイハツの店舗にて試乗が可能です(店舗により試乗車がない場合もあるので、要問い合わせ)。
ぜひ、コペンGRスポーツに乗るという体験そのものを味わってほしいと思います。買うつもりはなくても、とりあえず乗ってほしいクルマがコペンGRスポーツです。乗ったら軽自動車の価値観が覆ってしまうかもしれません。
また、GR GARAGEはGRブランド専売のディーラーにとどまらず、トヨタ車全般のカスタマイズを施す拠点としても機能しています。たとえばコペンGRスポーツにもっと攻めたエアロや社外サスペンションを取り付けたいと言うような要望も叶えてくれます。つまり買ったことがゴールではなく、買うことで始まるディーラーとなるのです。
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