先週はAMDだったので、今週はインテルのロードマップを更新しよう。こちらも、前回ちゃんとロードマップを更新したのは連載525回と、AMDほどではないが久しぶりである。ただそれほどアップデート情報はないのだが。
Cascade Lakeの最初の製品となった
Xeon W-3200シリーズ
実はデスクトップに関して言えば、6月以降ではあまり新製品は存在しない。まず6月3日、インテルはark.intel.comを更新して、Xeon W-3200シリーズの新製品を登録している。
Xeon W-3000シリーズといえば、ジサトライッペイ氏の私物で有名(?)なXeon W-3175Xが2019年1月末に発売され、2月にはさっそくベンチマークが取られることになっていたのはご存じの通り。
ただXeon Wという製品カテゴリーそのものは2017年から存在しているが、この時のパッケージはCore-Xと同じLGA2066を使っており、LGA3647を利用するのはXeon W-3175Xただ1製品のみという、なんというか取って付けたような扱いになっていた。
LGA3647そのものはXeon Scalableと共通ではあるが、Xeon W-3175Xに対応するマザーボードそのものが登場したのは2019年3月のことで、いろいろ意味で無茶な感じのする製品であるが、どうもインテルはこのプラットフォームをもっと拡充することを決めたようだ。
この結果として6月に追加されたのがXeon W-3223~Xeon W-3275の6製品(モバイル向けも含めると9製品)である。ハイエンドのXeon W-3275は4449ドルと、Xeon X-3175Xより1500ドルも高い価格付けになっているあたり、想定ユーザーがいまいちはっきりしないのだが、ローエンドのXeon W-3223は749ドルとお手頃(ただし8コア16スレッドなので、やや非力な気はする)で、ワークステーション向けには良い選択肢なのかもしれない。
この新しく追加されたXeon W-3200シリーズが、デスクトップ向けCascade Lakeの最初の製品群ということになる。

この連載の記事
- 第598回 最後のAtomとなるChromebook向けプロセッサーのJasper Lake インテル CPUロードマップ
- 第597回 Ryzen 5000Gシリーズに2つのコアが混在する理由 AMD CPUロードマップ
- 第596回 Rocket LakeではCore i3が発売されない可能性大 インテル CPUロードマップ
- 第595回 嗚呼憧れのReconfigurable Processor AIプロセッサーの昨今
- 第594回 数は力? RISC-VベースのAIチップを開発するEsperanto AIプロセッサーの昨今
- 第593回 車載向け市場にフォーカスしたGSP AIプロセッサーの昨今
- 第592回 自社専用と割り切ったからできたAlibabaのHanguang 800 AIプロセッサーの昨今
- 第591回 スタートアップ企業のMythicが実現した超低消費電力AIプロセッサー AIプロセッサーの昨今
- 第590回 Radeon Instinct MI100が採用するCDNAアーキテクチャーの内部構造 AMD GPUロードマップ
- 第589回 AIチップの性能評価基準を考えさせるFlex Logic AIプロセッサーの昨今
- 第588回 Ryzen 5000シリーズはなぜ高速なのか? 秘密はZen 3の内部構造にあり AMD CPUロードマップ
- この連載の一覧へ