柳谷智宣がAdobe Acrobat DCを使い倒してみた 第104回
自分の印鑑をAcrobatで使える電子印鑑にする方法
Adobe ScanとPowerPointで印鑑を電子印鑑にしてみる
2019年11月20日 09時00分更新
本連載は、Adobe Acrobat DCを使いこなすための使い方やTIPSを紹介する。第104回は、Adobe ScanとPowerPointで印鑑を電子印鑑にしてみる。

Acrobat DCの「スタンプ」機能を活用
最近は、請求書をPDFファイルで送れることが増えてきた。とても助かるのだが、ネックになるのが押印。印刷してハンコを押してスキャンしてPDFにするという作業は非効率すぎて避けたいところ。Acrobat DCなら「スタンプ」機能を利用することで、手軽に電子印鑑を押すことができる。
ただし、標準機能のスタンプだととても事務的なシンプルなデザインで、印鑑のようには見えない。フリーランスであれば、印鑑を押してくれと言われたら、印鑑に見えるものを押すしかない。そこで、手持ちの印鑑を電子化して、Acrobat DCで押せるようにしてみよう。
まずは、印鑑を白い紙に押して、Adobe Scanで撮影する。印影部分をPDFにしてDocument Cloudに保存したら、今度はPCのAcrobat DCで開き、画像で保存する。
続けて、この画像をPowerPointに読み込む。なぜ、こんな作業をするかというと、白い紙の部分を透明化させるため。取り込んだ画像をそのままスタンプに登録してしまうと、印鑑が透けず、切手を貼ったようになってしまうのだ。
PowerPointに読み込んだら、「背景の削除」をクリック。画像がピンク色に反転し、印影部分が選択される。もし、抜けがある場合は「保持する領域としてマーク」をクリックした後、選択に追加したい部分をクリックすればいい。選択できたら「変更を保持」をクリックする。後は右クリックメニューから「図として保存」をクリックし、PNG画像として保存すればいい。
Acrobat DCの「ツール」から「スタンプ」を開き、「カスタムスタンプ」の「作成」をクリックする。ダイアログが開いたら、作成した画像を読み込み、分類したり名前を付ければ完了だ。
画像のサイズが大きい場合は、「ダウンサンプルとしてファイルサイズを縮小」にチェックを入れておけばコンパクトになる。
PDFファイルを開き、スタンプメニューから登録した電子印鑑を押してみよう。問題なさそうなら、再度スタンプメニューを開き、「現在のスタンプをお気に入りに追加」をクリックする。これで、「スタンプ」を開いたらワンアクションで選択できるようになる。
電子印鑑のサイズは貼り付けたあとにドラッグして調整できる。しかし、毎回毎回調整するのは手間がかかるので、あらかじめ登録画像を小さくしておくといい。
標準アプリの「ペイント3D」で印鑑の画像を読み込み、まずはトリミングする。右ペインのフレーミングで「1:1」を選び、ぎりぎりにトリミングしたら、「キャンパス」メニューからサイズを変更しよう。保存した画像を、Acrobat DCのスタンプに登録すれば完了だ。

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