「世界初の自動運転レベル3搭載車」の予定だったA8
ここまででも十分なA8であるが、フラグシップである以上、アウディは手を抜かなかった。このA8が最初にお披露目された2017年9月のバルセロナで、誰もが驚くことが発表された。自動運転レベル3を世界で初めて搭載するというのだ。
自動運転については、アメリカのSAE Internationalが策定した自動運転の定義に基づいて、その技術レベル、内容によってレベル0から5までの段階に分けられている。プロパイロットをはじめ、現在販売されている車は、すべて車両がステアリング操作、加減速のどちらもサポートする「運転支援」のレベル2が最新となっている。レベル3になると、一歩進み「システムが高速道路など特定の場所に限り交通状況を認知して、運転に関わるすべての操作し、ドライバーが緊急時やシステムが作動困難になった場合に対応する」となる。つまり高速道路ではほぼ何もしなくてもよい、ということだ。
しかし、実際に2018年10月に日本国内での導入発表の際、日本のみならず世界的な法整備の問題から、この自動運転レベル3の機能は見送られた。だがシステムとしては最新のデバイスを搭載し、限りなくレベル3に近いことに変わりはない。
量産車として世界初となるレーザースキャナーを車両のフロント部分に1基搭載。このほかにもミリ波レーダー、カメラセンサー、超音波センサーなどA8には23個のセンサーが取り付けられ、全方位で車両周辺の情報を検出。得た情報の処理にはNVIDIAのチップを中核とする「zFAS(セントラル ドライバーアシスタンス コントローラー)」が用いられ、適切に判断するというのだ。
これにより「アダプティブクルーズコントロール(ACC)」「アクティブレーンアシスト(ALA)」「トラフィックジャムアシスト」の3機能を統合した「アダプティブドライブアシスト(ADA)」に加え、見通しのわるい交差点で機能する「フロントクロストラフィックアシスト」、全方位に対して事故の発生を予防し、被害を軽減する「プレセンス360」などを新機能として追加した、とカタログには書かれている。しかし、字面を見ていると「なんだか凄そうだけれど、どう凄いのかよくわからない」のが正直なところ。そこで好奇心から今回の試乗で体験することにした。

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