Voltaの後継と思われるAmpereは
Samsungの7nm EUVプロセスで製造
ということでやっと現在に追いついたわけだが、気になるのは今後である。こちらに関しては、相変わらず一切話がない(なにせコード名すら伝わって来ない)。それもあって各所の情報サイトも以前はPost-Volta/Post-TuringだのVolta-Next/Turing-Nextだのといったコード名を使っており、6月に入ってやっと“Ampere”というコード名が広く伝わるようになった。
ただこれも正確なものかどうかはわからない。Voltaの後継でHPC向けという可能性もあるからだ。コード名だけで考えればVoltaの後継と考えたほうがスムーズである。
昨年10月に都内で開催されたSFF(Samsung Foundry Forum)2018 Japanの質疑応答の際に、7nmのTarget ApplicationにはGPUが含まれるという話が出ており、この段階で次世代製品がSamsungの7nm EUVプロセスを利用することがほぼ既定路線だった模様だ。
いろいろ話を聞くと、次世代が全部Samsungの7nm EUVというわけではなく、一部製品はTSMCの7nm(N7)を利用するということらしい(おそらくTU106/TU116あたりのグレード向けと思われるが正確には不明)が、トップエンドの製品はSamsungのEUVになる模様だ。
最近になって、Samsung Foundryが7nmプロセスでNVIDIA GPUを量産するというニュースが改めて出てきたが、これはおそらくなんらかのマイルストーンを達成したため(たとえば最初のコアをテープアウトしたなど)と思われる。
登場時期は2020年(まだEUVのスループットがそれほど高くないことを考えると、TSMCの7nmよりも下手をすると時間がかかるだろう)となっており、実際今テープアウトしたとして、最初のサンプルが10月か11月。それをベースに量産サンプルが12月とか1月というあたりが妥当な数字であることを考えると、来年のE3あたりで発表があるのではないかという気がする。
ただ、最初の製品はVoltaの後継(つまりHPC向け)で、コンシューマー向けはその次になりそうな気がするのだが。このあたりはまた情報が入ったらアップデートしたい。

この連載の記事
-
第811回
PC
Panther Lakeを2025年後半、Nova Lakeを2026年に投入 インテル CPUロードマップ -
第810回
PC
2nmプロセスのN2がTSMCで今年量産開始 IEDM 2024レポート -
第809回
PC
銅配線をルテニウム配線に変えると抵抗を25%削減できる IEDM 2024レポート -
第808回
PC
酸化ハフニウム(HfO2)でフィンをカバーすると性能が改善、TMD半導体の実現に近づく IEDM 2024レポート -
第807回
PC
Core Ultra 200H/U/Sをあえて組み込み向けに投入するのはあの強敵に対抗するため インテル CPUロードマップ -
第806回
PC
トランジスタ最先端! RibbonFETに最適なゲート長とフィン厚が判明 IEDM 2024レポート -
第805回
PC
1万5000以上のチップレットを数分で構築する新技法SLTは従来比で100倍以上早い! IEDM 2024レポート -
第804回
PC
AI向けシステムの課題は電力とメモリーの膨大な消費量 IEDM 2024レポート -
第803回
PC
トランジスタの当面の目標は電圧を0.3V未満に抑えつつ動作効率を5倍以上に引き上げること IEDM 2024レポート -
第802回
PC
16年間に渡り不可欠な存在であったISA Bus 消え去ったI/F史 -
第801回
PC
光インターコネクトで信号伝送の高速化を狙うインテル Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU - この連載の一覧へ