柳谷智宣のkintoneマスターへの道 第85回
ビジネスの現場でがっつり使える本格的なシステムを構築する方法
kintoneで顧客・問い合わせ・FAQ管理の3アプリを連携してみる
2019年06月05日 09時30分更新
サイボウズ社が提供しているウェブサービス「kintone」は、一言で言うなら「簡単に自社の業務に適したシステムを作成できるクラウドサービス」だ。業務アプリを直感的に作成できるほか、社内SNSとしての機能も備えスピーディーに情報共有ができるなど魅力が盛り沢山だ。 本連載では、そんなkintoneの導入から基本機能の紹介、そしてアプリの活用法など、ビジネスの現場で役立つ情報を取り上げていく。第85回では、顧客管理・問い合わせ管理・FAQ管理のシステムをテンプレから構築してみる。
「顧客サポートパック」をインストールして環境が整えよう
kintoneアプリストアには、多数のアプリが登録されている。どれも基本的な機能を備えており、普通に利用できる。もちろん、企業ごとに独特のワークフローがあることだろうが、それも超手軽に対応できる。
たとえば、ウイスキーの卸ショップを経営している時に、問い合わせ対応のスタッフを雇用するケースを想定してみよう。自分ひとりで経営している時は、あらゆる問い合わせに自分の判断ですべて対応することだろう。しかし、ほかの人にその作業を任せる場合は、そうはいかない。
まず、顧客情報を管理する必要があり、問い合わせはそこに紐付けて可視化する必要がある。トラブルに備えて、過去の問い合わせ履歴も社内で共有しなければならない。そもそも、対応してもらうための模範解答やマニュアルのようなものも必要になる。
このすべてを1つのアプリでまかなうのはかえって複雑になるので、顧客と問い合わせ、FAQの3アプリを連携させるといい。ルックアップでほかのアプリから情報を表示させるなど、初心者にはちょっと難しい機能も活用している。しかし、kintoneアプリストアに用意されている「顧客サポートパック」をインストールすれば、あっという間に環境が整う。
今回は、ビジネスの現場でがっつり使える本格的なシステムを、プログラミングのできない業務リーダーが自分で構築する方法を紹介しよう。
インストール時に「サンプルデータを含める」にチェックしていると、ダミーデータが入った状態でアプリを試すことができる。まずは、それぞれのアプリの入力画面を開き、どんな感じのデータを扱うのかを確認してみよう。
顧客リストであれば会社や担当者の情報、FAQは質問と回答、問い合わせ管理だと会社名や問い合わせ種別、対応内容などを登録する。
1分で準備できたと言っても、このまま業務で活用できるケースは少ないだろう。たとえば、顧客の重要度ランク付は不要だが入金サイクルを登録しておきたいとか、FAX番号は不要だが初回取引日は残しておきたいといった個別事情があるはず。基本的には、フィールドをドラッグ&ドロップしたり、右クリックメニューから削除するだけなので手間はかからない。
ただし、会社情報や問い合わせ情報など、関連レコードやルックアップと言った機能で複数のアプリで連携している部分の情報をいじるときには、影響する範囲が大きいので適当に削除しないようにしよう。
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