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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第508回

Ice Lakeは2019年中に量産開始 インテル CPUロードマップ

2019年04月29日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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GPU部分に欠陥のあるダイもFモデルとして救済

 これに比べると、特に8コアのCoffee Lake Refreshの場合、GPUの比率は30%弱まで落ちており、もし歩留まりがKaby Lakeと同程度であれば、GPUを無効にしないといけないダイの割合はさらに低くてもいいはずだ。

Coffee Lake Refreshのダイ。左の水色の部分がGPUになる

 ところが実際には大量にGPUが無効化された製品が増えたということは、歩留まりが猛烈に下がったことで、Kaby Lakeの世代では破棄していたであろう、GPU部分に欠陥のあるダイもFモデルとして救済せねばいけない状況になった、ということしか考えられない。

 加えて言えば、さらに動作周波数のラインナップも増えているあたり、生産速度も悪化していると思われる。要するに製造ラインをあわてて強化したことで、14nmプロセスの製造ラインが劣化した、というのが現状と思われる。

 モバイル向けのCore i7にまで、GPUなしのCore i7-9750HFをラインナップしないといけないほど、現状の劣化具合はひどいと考えてよさそうだ。ただ劣化した分をFモデルなどより動作周波数の低いモデル、あるいはCore i3やPentiumなどで救済すれば、見かけ上出荷可能なダイの数は増えることになるし、実際増えているのだと思う。

 では今後はどうなるかというと、調整の時間を省いて量産を開始してしまったために歩留まりが悪化しているわけで、今後調整が進めば次第に歩留まりが改善することになり、無理にFモデルを販売する必要もない。

 実際インテルはGPUなしのFモデルとGPUありのモデルで価格差を付けていないというのは、「今はやむなくGPUなしで販売しているけど、今後歩留まりが改善したらGPUなしモデルは販売中止にしたいので、GPUなしモデルを低価格に提供して人気が出てしまうことは避けたい」のだと思われる。

 これに加えて、今後10nmのラインが順調に立ち上がれば、14nmの需要の高まりが緩和され、その分歩留まりを引き上げることも可能になるだろう。

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