「428 封鎖された渋谷で(以下、428)」は、チュンソフト(現スパイク・チュンソフト)が制作したサウンドノベルゲームで、2008年にリリースされて以来、多くのファンから高い評価を得ている。大学生の頃に初めて428をプレーした時、アドベンチャーゲームの概念が覆されるほどの衝撃と感動を受けた。だから、428は私の学生時代に彩りを与えてくれたバイブル的存在のゲームなのだ。
2018年9月6日にPS4版とPC版が発売されたので、ぜひとも多くの人に428を体験してもらいたい。そこで今回は「ゲームシステム」「ストーリー」「バッドエンド」に分けて428の魅力を紹介しよう。
主人公たちの運命を変えるゲームシステムが秀逸
まずは428のゲームシステムを紹介しよう。428は、複数の主人公のシナリオを切り替えながら進める「ザッピングシステム」を採用している。4月28日に渋谷で発生した誘拐事件を背景に、5人の主人公たちのシナリオが同時に進行する。ひとりひとりのシナリオを読んで、グッドエンディングへ到達することがクリア条件である。
進行中、「選択肢」が発生する。複数の選択肢から正しいと思われる項目を選択すると、シナリオのエンディングが変化するだけでなく、ほかの主人公たちのシナリオにも影響を与える。正しい選択肢を選べばグッドエンディングへ、誤った選択肢を選べばバッドエンドへといった具合で、プレーヤーが下した選択がすべてのシナリオに影響を与えるのだ。
ひとりの主人公のシナリオを読み進めると、途中で「KEEP OUT」という表示が出て進行がストップしてしまう。
シナリオに表示される青字の単語を選択すると、「TIP」という単語の解説画面に遷移する。基本的には専門用語などを解説してくれるのだが、ごくまれにKEEP OUT中のシナリオへ遷移するための単語が出てくる。その単語を選択すれば、KEEP OUT中のシナリオへ遷移し、進行を再開することができるのだ。
このように、複数の主人公のシナリオを切り替えながら運命を変えていくのがクリアの秘訣である。本作はただ単にテキストを読むだけでなく、複数のシナリオを交互に進め、選択肢を選んで正しい展開へ導くといった遊びも特長となっている。映像体験とゲーム体験が同時に味わえるため、ゲームをあまりプレーしない人でも十分楽しめるのが醍醐味のひとつといえよう。
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