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JAPAN INNOVATION DAY 2019第43回

JAPAN INNOVATION DAY 2019レポート:

消費増税ポイント還元 本当のねらい

2019年03月27日 09時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)

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 「中国でキャッシュレス化には、“キャッシュレスを使わないとタクシーに乗れない”といった利用シーンの創出や、大々的なキャンペーンといった“おまけ”によるきっかけ作りが効果的だったという。まず1回使ってみて、使ってみると便利だから使い続けた。国により事情は異なるだろうが、日本でも、そういうきっかけ作りが重要だ」

 経産省キャッシュレス推進室設立当初からの主要メンバーである津脇慈子氏は3月22日、「JAPAN INNOVATION DAY 2019」セミナーに登壇し、今年10月実施予定のキャッシュレス・消費者還元事業についてそう説明した。

 消費者が中小店舗でキャッシュレス決済をした場合、利用額の一定割合分(チェーン店は2%、個人店は5%)、ポイント還元を受けられる施策。ECショップも対象だ。時期から消費増税対策に見えるが、ねらいはキャッシュレス化へのきっかけづくりだという。

 期間中は消費者だけではなく、店舗を経営する事業者にもキャッシュレス導入のきっかけをつくる。現状、キャッシュレス導入のハードルが高いためだ。

■キャッシュレス決済わかりやすく

 「初期費用と端末代を負担して、都度手数料を払わされる。さらに『現金なら日銭が入るのに1ヵ月後にしかお金が入らないというのは耐えられない』という3点セットだ。そこを打開するために1回入ってもらう」(津脇氏)

 具体的には期間中、決済業者は加盟店手数料を3.25%以下におさえて、国が更にその3分の1を補助する。これでキャッシュレス導入のハードルを下げる。

 さらに決済業者には、キャッシュレスポイント還元終了後の手数料の取扱いを開示させる。店舗運営業者がキャッシュレスのサービスを横並びで比較しやすくするねらいだ。クレジットカードをはじめとする今までのキャッシュレス業界には、わかりづらく不透明な部分があったため、施策を通じて透明化したい考えだ。

 「決済事業者一つとっても、アクワイアラ(Acquirer)とか、イシュア(Issuer)とか、ブランドとか、いっぱいある。複雑な構造になっている中、いかに新しい事業者も入りやすく、より使いやすいものにするか。見える化を通じて、市場競争を一定程度働かせる意味で、切り口になったらいいなと」(津脇氏)

 なおキャッシュレス・消費者還元事業は、中小・小規模事業者対象の施策だ。「2020年半ばまでにキャッシュレス比率を4割に」という政府目標からすればごく一部。中小・小規模事業者を中心にキャッシュレス運動を起こすことで、大企業のキャッシュレス化にも影響を与えていくのが、本当のねらいだという。

 「消費者向けの政策がどの程度浸透するかというのは正確には予測できないが、壮大な社会実装としてしっかりと取り組んでいきたい」(津脇氏)

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