スマホで撮影する場合の3つのポイント
今回のポイントは3つ。まずはシャッター。画面のシャッターボタンは押せないので、「音量を下げるボタン」に指をかけてiPhoneを握る。このボタンはシャッターとしても使えるから。
2番目はiPhoneケース。このレンズが6個ついた面妖なケースは「SHIFTCAM 2.0」という、レンズ部をカチャカチャとスライドさせてより広角にしたり望遠にしたりできるという代物。こういうアクロバティックな撮り方をするときは、より広角で撮りたいのだ。
3番目はちゃんと向きを合わせること。画面を見ないで勘で合わせるわけだが、慣れないうちはちょっとずつ角度を変えながら何枚も撮っておくのがいい。
で、撮ったのが冒頭写真。その後、何度も足の周りをぐるぐる回ってるので、いったい何をしているのかとiPhoneで撮ってみたら……こんなことしてました。上から見てるとわからんもんです。
まあ楽しそうに遊んでるからいっか。こんな調子でキジトラと遊んでたら日が暮れちゃうので、ほっといて目的の場所へ。そこには何匹も猫がいるはず……と思いきや、猫のいた痕跡はそこかしこにあるんだけど、肝心の猫が1匹しかいない。灌木の入口で日向ぼっこしてる。
平和そうである。でも1匹だけってのは寂しい。4年前はベンチの上にずらっと並んでいたのに。
他の猫はどこへいったのだろうと見渡していると、電動アシスト自転車でやってきたご近所住まいらしいおばさまが、この猫の少し先できゅっと止まる。彼女が自転車を降りてスタンドを立てると、日向ぼっこしていた猫がそそくさと起き出してとことこと歩いて行くではないか。なじみの方なのだ。
声をかけてみると、2年前に1匹亡くなり、1年前に1匹亡くなり、3匹は他の猫と折り合いが悪くて他の場所にうつり、常時ここにいるのはこの1匹だけ。他の猫は夕方にごはんを食べにやってくるだけになってしまったと教えてくれた。
ああそうであったか。地域猫としてきちんと去勢されて世話されていれば、猫は減っていくのが道理ではあるのだが寂しくもありますな。と立ち話してると、猫がベンチに置いたわたしのバッグに近づいてくんくんと臭いを嗅いでる。わたしのバッグはどれもうちの猫の臭いがついているだろうから、気になるのかもしれない。
人なつこい膝猫をサクっと撮影
1匹だけ残った猫は人なつこそうなので、撫でさせてくれるかなとわたしもベンチのバッグの脇に座ると、バッグを跳び越え遠慮会釈一切なしにぴょこんと膝に乗ってきた。なんと膝猫だったのだ。そういえば3年前も膝猫がいたわ。同じ猫かもしれない。
膝に乗ったら、iPhoneの出番。先ほどの要領で膝猫撮影の時間。
いやはや、人なつこい猫もいるもんですな。そしてしばらく膝の上でくつろいでいたかと思うと、また灌木の中に戻って昼寝を再開させたのであった。
そうそうこの膝猫、しっぽがくるんと巻いているのがラブリーだったので最後はお尻の写真をどうぞ。
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筆者紹介─荻窪圭
老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/
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