また、Board Power(GeForceで言うところのTDP)はVega 64よりわずかに高い300Wに到達している。プロセスをシュリンクして高クロック化を可能にしたが、60CUもの巨大な回路をピーク1800MHzで回すにはそれなりに電力を食う、ということだろう。
それでも補助電源コネクターは8ピン×2に収まるので、極端に使いにくい訳ではない。カード全長も270mmなので、今どきのATXタワーケースなら何の問題もなく収容できるだろう。発熱や騒音については後ほど検証する。
Radeonではお馴染みのカード上部のBIOS切り替えスイッチは、Radeon VIIのリファレンスデザインから削除されている。Vega 56/64ではこのスイッチがGPUのパワープロファイルを切り替えるために存在していたが、Radeon VIIではWattmanプロファイルでソフト的にパワープロファイルを切り替える方法のみとなる。
現状はCSMを有効にしておく方が無難
そしてBIOSといえば、今回受領したテスト用カードはUEFI BIOSでPOSTしない仕様だった点も記しておきたい。ただ現在のUEFI BIOSが載っているマザーボードの場合、BIOS上でCSM(Compatibility Support Module)を有効にしておけばこの問題を回避できる。インテルは、2020年を境にUEFIからCSMを排除する予定でいるため、CSM必須なRadeon VIIリファレンスカードの仕様には困惑する。
ただ既に一部メーカー(原稿執筆時点確認できたのはASRock)では、Radeon VIIをCSMがなくても起動できるvBIOSを公開済みなので、解決の手段はあるようだ。購入時にUEFI対応のvBIOSがリリースされているメーカーの製品を買う、というのも選択の基準としてアリだろう。

この連載の記事
-
第473回
デジタル
Ryzen 7 9800X3Dと9700Xはどっちが良いの?! WQHDゲーミングに最適なRadeon RX 9060 XT搭載PCの最強CPUはこれだ! -
第472回
sponsored
触ってわかった! Radeon RX 9070 XT最新ドライバーでFPSゲームが爆速&高画質に進化、ストレスフリーな快適体験へ -
第471回
デジタル
8TBの大容量に爆速性能! Samsung「9100 PRO 8TB」で圧倒的なデータ処理能力を体感 -
第470回
デジタル
HEDTの王者Ryzen Threadripper 9980X/9970X、ついにゲーミング性能も大幅進化 -
第469回
デジタル
ワットパフォーマンスの大幅改善でHEDTの王者が完全体に、Zen 5世代CPU「Ryzen Threadripper 9000」シリーズをレビュー -
第467回
デジタル
Radeon RX 9060 XT 16GB、コスパの一点突破でRTX 5060 Tiに勝つ -
第466回
デジタル
Radeon RX 9060 XTは6.5万円でVRAM 16GBのお値打ちGPUになれたか? -
第465回
デジタル
遅れてやってきたPCIe5.0 SSDの大本命、リード14GB/秒超えのSamsung「9100 PRO」を実機レビュー -
第464回
デジタル
Radeon RX 9070シリーズの仕上がりは想像以上だったことがゲームベンチでわかった -
第463回
デジタル
Ryzen 9 9950X3Dは順当進化。3D V-Cache搭載Ryzenの最強モデルだがクセありな部分はそのまま -
第462回
デジタル
RTX 5070の足を止めた「Radeon RX 9070 XT/ 9070」レビュー - この連載の一覧へ

