まとめ:良好なワットパフォーマンスだが、出荷を急ぎすぎた印象
以上でRadeon VIIのゲーミングパフォーマンス検証は終了だ。Fiji以降のRadeonのハイエンドラインは設計の理想の高さと現実の性能のチグハグ感が感じられ、ハイエンドを張るには力不足感が否定できなかったが、今回のRadeon VIIは一番のネックであるワットパフォーマンスが大きく改善され、パフォーマンスも良好。
ライバルGeForceのトップとがっぷり四つに組むまで至らなかったのは残念だが、RTX 2080に近い性能を出せた点は多いに評価したい。DXRに対応しない点は残念だが、現状のDXR対応ゲームの乏しさを考えれば大したデメリットにはならない。むしろVRAM16GBがもたらす余裕の方が実利が大きいといってよいだろう。
以下のグラフは今回検証に用いた実ゲーム系ベンチの平均フレームレートを解像度別に比較して、それぞれRadeon VIIに対してどの程度上か下かを示したものだ。まずVega 64に対しては、クロックやメモリーバス幅で勝るぶん、どの解像度でも性能で上回れている。
ただ対RTX 2080については、全体として負け越しており、フルHDでは9%下。ただ解像度が上がりメモリー帯域が重視されるようになると差はジリジリと縮まる。今後ドライバーの熟成でこれが縮まることに期待したい。
だがネックは熱と発熱だ。熱については好クロック化の代償ともいえるが、ジャンクション温度でキッチリ制御されるようなのですぐ壊れるようなシロモノではないだろう(長期間のロードテストをしたいところだが……)。
ただここまで限界を攻めるとなると、夏場の気温の影響でパフォーマンスに影響することは明らか。そして標準装備のクーラーが騒々しいので、強化クーラー搭載モデルの登場が望まれる。
製品の供給量はVega 64のようにならないか心配なところだ。RTX 2080Tiの供給もかなり厳しそうだが、同格のRTX 2080の供給量はそれなりに確保できている模様。ここで供給体制をしっかり確保できなければ、せっかくMI50を下ろしてまで確保したハイエンドGPUへの足がかりを失うことにならないだろうか。AMDの奮闘に期待したいところだ。

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