2018年12月下旬、富士スピードウェイにてTOYOTA GAZOO Racingが6月20~23日にドイツで開催される第47回ニュルブルクリンク24時間耐久レースに参戦するマシンのテストを実施した。今年のマシンはどんなものか。そしてなぜニュルにこだわるのかを探った。
TGRの歴史はニュル参戦の歴史
TOYOTA GAZOO Racing(TGR)が誕生したのは2007年。モータースポーツという極限の状況で新しい技術や方法を追求し、自らを革新しつづけられるか。
「クルマを鍛え、人を鍛える。それがやがてもっといいクルマづくりに生かされる」
トヨタ自動車の豊田章男社長が常日頃から口にするこの言葉のもと、1周25km以上、荒れた路面や高い縁石、激しい高低差、ブラインドコーナーといった悪条件が揃った、世界で最も過酷なコースと言われる「ニュルブルクリンク」を24時間走り続けるレースに、トヨタ社員自らが製作したレース車両を持ち込み、社員メカニック・エンジニアで構成するチームで参戦している。
初年度(2007年)は中古で買ってきたアルテッツァを自分たちでモディファイし、豊田社長自らがドライバー”モリゾウ”としてハンドルを握った。翌年からは新車や開発中の車両を投入。その中にはLFAや86といったスポーツカーにとどまらず、SUVであるC-HRも含まれていた。
2018年は打ちのめされたからこそ
今年は大きくアップデート
2018年はニューマシンLEXUS LCをニュルブルクリンクに持ち込んだ。しかし、さまざまなパーツのトラブルが発生し、計約4時間半もの間ピットインすることになり、レースを96位で終えている。「昨年は打ちのめされました」と、ドライバーのリーダーである土屋武士選手は振り返る。
「しかし、そこで得た知見が今年のマシンには生かされています。見た目は一緒ですが、中身はまったくの別物で、本当に2018年モデルからどこを挙げたらいいかわからない位に変わりました」
と自信のほどを表す。そんな2019年モデルを紹介しよう。