クローズド・アーキテクチャーの推進は
互換機の売上を減らすため
IBMの、というよりはESDのトップであったBill Lowe氏の考えは、競合より優れたアーキテクチャーを持ったPS/2に人気が集まることで、互換機の売上は減って再びIBMの製品の売上が増えるだろう、ということだった。本人がそう信じていたかどうかはともかく、対外的にはそういう説明であったわけだが、実際の売上はどうだろうか?
まず1987年11月にはPS/2システム全体で100万台の売上を達成とアピールしている。ただし、ここには8月に発表したPS/2 Model 25(8MHz 8086を搭載しHDDを省いたエントリーモデルで1350ドル)なども含まれており、このうちどの程度がMCAのPS/2かは不明である。
同年12月には、PS/2 Model 30が35万台、PS/2 Model 50が30万8000台出荷とレポートされている。より上位のPS/2 Model 80はおそらく10万台に達してない程度である。1987年通算で、IBMはPC市場で39.2%のシェアでトップ、第2位がCOMPAQで22.8%と発表されている。
ちなみに1987年は、市場全体で言えば920万台ほどのパーソナルコンピューターが販売されており、このうちIBM-PCとその互換機は592万台とされる。
この連載の記事
-
第798回
PC
日本が開発したAIプロセッサーMN-Core 2 Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第797回
PC
わずか2年で完成させた韓国FuriosaAIのAIアクセラレーターRNGD Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第796回
PC
Metaが自社開発したAI推論用アクセラレーターMTIA v2 Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第795回
デジタル
AI性能を引き上げるInstinct MI325XとPensando Salina 400/Pollara 400がサーバーにインパクトをもたらす AMD CPUロードマップ -
第794回
デジタル
第5世代EPYCはMRDIMMをサポートしている? AMD CPUロードマップ -
第793回
PC
5nmの限界に早くもたどり着いてしまったWSE-3 Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第792回
PC
大型言語モデルに全振りしたSambaNovaのAIプロセッサーSC40L Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第791回
PC
妙に性能のバランスが悪いマイクロソフトのAI特化型チップMaia 100 Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第790回
PC
AI推論用アクセラレーターを搭載するIBMのTelum II Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第789回
PC
切り捨てられた部門が再始動して作り上げたAmpereOne Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第788回
PC
Meteor Lakeを凌駕する性能のQualcomm「Oryon」 Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU - この連載の一覧へ