アラン・ケイが提唱したPCを超える
シャープの戴会長兼社長は「これからのdynabookは、2つの方向に進化していく」と表現する。
ひとつは「dynabook as a Computing」だ。これは東芝のPC事業で、これまで培ってきた強みをさらに強化し、人や社会を支える真のコンピューティングを追求していくことだと位置づける。いわばハードウェアを中心としたこれまでの延長線上で進化だ。
もうひとつが「dynabook as a Service」である。ユーザーを起点に考えた新たなサービスを創出し、さまざまな分野に展開していくことを示すという。
戴会長兼社長は「この2つを融合させ、より快適な社会や生活を実現する。これが、Dynabookが目指す事業の方向性であり、この実現を通じてdynabookブランドをさらに磨き上げる」と語る。
Dynabook株式会社では「コンピューティングとサービスを通じて、世界を変える」というビジョンを新たに掲げた。
石田会長は「PCのプラットフォームは、オープンなサービスを取り込むことができ、AIoTに関連した新たなサービスも創出できる。そのプラットフォームをシャープが持てたことは大きい。新たなサービスをいち早く取り込み、dynabookブランドが提供する製品全体の価値を高めたい」とする。PCの枠を超えたコンピューティングとサービスを提供するのが、新たなdynabookというわけだ。
アラン・ケイ氏が提唱したdynabookを超える、新たなdynabookの実現を目指すのが、Dynabook株式会社ということになる。
この連載の記事
-
第606回
ビジネス
テプラは販売減、でもチャンスはピンチの中にこそある、キングジム新社長 -
第605回
ビジネス
10周年を迎えたVAIO、この数年に直面した「負のスパイラル」とは? -
第604回
ビジネス
秋葉原の専門店からBTO業界の雄に、サードウェーブこの先の伸びしろは? -
第603回
ビジネス
日本マイクロソフトが掲げた3大目標、そして隠されたもう一つの目標とは? -
第602回
ビジネス
ボッシュに全株式売却後の日立「白くまくん」 -
第601回
ビジネス
シャープらしい経営とは何か、そしてそれは成果につながるものなのか -
第600回
ビジネス
個人主義/利益偏重の時代だから問う「正直者の人生」、日立創業者・小平浪平氏のことば -
第599回
ビジネス
リコーと東芝テックによる合弁会社“エトリア”始動、複合機市場の将来は? -
第598回
ビジネス
GPT-4超え性能を実現した国内スタートアップELYZA、投資額の多寡ではなくチャレンジする姿勢こそ大事 -
第597回
ビジネス
危機感のなさを嘆くパナソニック楠見グループCEO、典型的な大企業病なのか? -
第596回
ビジネス
孫正義が“超AI”に言及、NVIDIAやOpen AIは逃した魚、しかし「準備運動は整った」 - この連載の一覧へ